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REGAL 36 XO – Adventure Sport

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アメリカ フロリダ州オーランドに本拠地を置く米国最大規模の独立系ボートビルダー「REGAL BOATS(リーガル)」。
1969年の創業以来Kuck一族による家族経営が続く同社は、創業者の孫世代が副社長として経営シーンに登場しはじめた。
2021年モデルもその孫たちが中心となって発表。その中のひとつ「REGAL 36 XO」が日本初上陸を果たした。
「Japan International Boat Show 2021」でも注目された一艇を横浜沖でシートライアル。
ツイン425馬力のモンスターアウトボードで40knotオーバーを実現する。

text: Atsushi Nomura photo: Makoto Yamada
special thanks: REGAL JAPAN www.regalboats.jp

熟成された人気の35 Sport Coupeの後継モデル「REGAL 36 XO」

 「REGAL BOATS(リーガル)」の2021年モデルの36フッター、アウトボード仕様の「REGAL 36 XO」が日本上陸を果たした。2021年4月に開催されたJapan International Boat Show 2021で御披露目された、北米仕様のYAMAHA 425 XTO Offshore、V8、DOHC、5.6リッター、425馬力のモンスターエンジンを2基掛けする注目の一艇だ。世界的なCOVID-19の影響によりボートビルダーもニューモデルの発表方法を変えつつあるが、REGALも例外ではない。「REGAL 36 XO」は、姉妹艇の「36 Grande Coupe」とともに2020年7月下旬にオンライン配信によって発表された。これはREGALとしては初めてオンラインプレミアである。

 「36 XO」と「36 Grande Coupe」は、オープンコクピットを有する独特のレイアウトをしたエクスプレスクルーザーで、大ヒットした「REGAL 35 Sport Coupe」の系譜を継ぐモデルである。今回輸入された「36 XO」がアウトボード仕様、「36 Grande Coupe」がスターンドライブ仕様となる。全長11.58m、全幅3.45m、約8tonの艇体は、計850馬力のアウトボードによって、42~43knotのトップスピードを誇る。

 「36 XO」のデッキレイアウトは、アフトからフォアまでウォークスルーの一体感が最大の特徴。その中央にハードトップに守られたサロンがあり、前半部が開閉可能のルーフにより、まるでオープンエクスプレスのような開放感あふれるボーティングを楽しめる。標準仕様はドアのないオープンコクピット。今回の艇はハードトップ後端をエンクロージャードアにアップグレードした仕様で、サロンを完全に閉じることができる。四季豊かな日本での使用を考えると納得のチョイスだ。

 サロンの左舷に大型ソファ、右舷にはカウンターギャレー、右舷最前部にヘルムステーションが配置されている。ハードトップにはフリップダウンのTVも収納される。エンクロージャードアを開放すれば、サロンのギャレーとアフトコクピットのBBQグリル付きカウンターが一体化し、とても使い勝手が良い。アフトコクピットのシートは「マルチポジション スターン ウルトララウンジ」と名付けられ、前向き後ろ向きどちらでも使用可能な上、サロン左舷側のシートと一体化させてフラットなサンベッドにもアレンジできる。もちろんアフトコクピットにはテーブルをセット可能で、文字通りテーブルを囲むことができる。

 サロン前方のウィンドシールド左側を跳ね上げればフォアデッキにウォークスルーでアクセスできる。フォアデッキには大型のマルチポジションシート。クイーンサイズのサンタンベッドとしても、3人掛け2列のシートとしても使用できる。前後デッキのほとんどのシート下にはストレージを備え、収納も十分。フロアはすべてSeaDekが貼られており、とてもソフトだ。

 ロアデッキへはサロン前部中央、ヘルムステーション脇のドアから。クイーンサイズのアイランドベッドを備えたフォアキャビン、ダブルベッドにもなるコンバーチブルシートを備えたアフトキャビン、さらに個室ヘッド兼シャワールームが配置されている。ヘッドクリアランスもあり、36フィートとしては非常に余裕のある造りだ。

ツイン425馬力のモンスターアウトボードで43knotオーバーを実現

 4月、ボートショー直後の横浜沖はやや白波の立つコンディション。横浜ベイサイドマリーナのビジター桟橋をYAMAHA Helm Masterのジョイスティックを使い離岸する。水路を出て回転数を上げていく。1,000rpmで4.5knot、2,000rpmで7.6knot、2,500rpmで7.8knot、3,000rpmで13knot、3,500rpmで16knot。ここから一気に加速が始まり4,000rpmで26.1knot、4,500rpmで32knotに達する。26~32knotがクルージングスピードで、燃費は4,000rpmで120L/h、4,500rpmで156L/h。

 さらにスロットルレバーを押し込む。5,000rpmで36.5knot、5,500rpmで41.3knot、最高回転の5,850rpmで43knotを記録。海面のコンディションを考えれば、十分満足のいくポテンシャル。少しスロットルを戻してクルージングスピードでのスラロームや急旋回を行う。小気味良い急旋回がアグレッシブで楽しい。オートフラップの働きもリニアだ。高速走行時には波に当たって浮き上がる瞬間もあったが、着水は想像以上にソフト。このあたりにもハルの熟成度の高さが窺えた。

 「36 XO」は、デッキ、サロン、キャビン、いずれもシートアレンジが多彩で、いかにもREGALらしい意匠に富んだモデルである。人気の「35 Sport Coupe」の後継モデルと位置づけられているだけあって、レイアウトや艤装などは、ニューモデルながら熟成された観がある。そして、アウトボードらしい軽快さと重厚感を併せ持つ走り。アウトボードシリーズを充実し続けるREGALの、期待のニューカマーだ。

REGAL 36 XO
全長 11.58 m
全幅 3.45 m
喫水 0.94 m
重量 8.00 ton
エンジン 2× YAMAHA 425 XTO Offshore
最高出力 2× 425 HP
燃料タンク 1,003 L
清水タンク 197 L
問い合わせ先 リーガルジャパン  TEL: 079-322-8800
www.regalboats.jp

PerfectBOAT 2021年9月号掲載
https://www.fujisan.co.jp/product/1281681872/b/2146809/