VALHALLA BOATWORKS – VIKING YACHTSが立ち上げた新たなセンターコンソールブランド
2019年のフォートローダーデール インターナショナル ボートショーで北米のボーターを驚かせたワールドプレミア。
それは、コンバーチブルとエクスプレスのトップブランドを独走し、確固たる地位を確立するスポーツフィッシャーの雄「VIKING YACHTS」が、
玉石混淆のセンターコンソール建造に乗り出し、3モデル同時に発表したこと。
それが、プレミアムセンターコンソールブランド「VALHALLA BOATWORKS(バルハラ・ボートワークス)」だ。
text: Yoshinari Furuya
photo: VALHALLA BoatWorks www.valhallaboatworks.com
special thanks: QUAY SIDE www.quayside.co.jp
VIKINGと同じクオリティとシーワージネス
誕生と同時に賞賛を集める「バルハラ」
「VALHALLA BOATWORKS(バルハラ・ボートワークス)」は、VIKING YACHTSが新たに立ち上げたセンターコンソールブランド。「これは私たち(VIKING YACHTS)が突然やろうとしたことではありません。デザインチームと私の父(CEO パット・ヒーリー)は、VALHALLA発表の17年も前から、センターコンソール建造について考え始めていました。いくつかのデザインを描き、2003年には詳細なビジネスプランまで作成していました」と、VALHALLA BOATWORKSを立ち上げた、VIKING YACHTS創業者ビル・ヒーリーの孫にあたるショーン・ヒーリーが話す。だが、景気後退など社会情勢により、そのプランは延期された。
景気も回復した2016年、VIKING YACHTSのヘッドクォーターがあるニューグレトナからも近いエッグハーバーシティのマリカ川沿いにあるファクトリー(バイキングマリカ)を取得したのをきっかけに、ショーン・ヒーリーと兄弟のジャスティン・ヒーリーは、高性能オフショアセンターコンソール建造プロジェクトの再検討を始める。父親でありVIKING YACHTS CEOのパット・ヒーリーと共に、カスタムセンターコンソールのための新しい製造ラインをバイキングマリカに構築し、VALHALLA BOATWORKSのプランを実現に向けてスタートさせた。
VALHALLAが目指したのは、VIKING YACHTSのクオリティを持つセミカスタムのハイパフォーマンス センターコンソール。ナーバルアーキテクトは、スピードボートやフィッシングボートの経験も豊富なマイケル・ピータース・ヨットデザイン。VIKINGのモーターヨットMYシリーズで、パートナーとしてすでに実績のあるマイケル・ピータースとともに、ハイスピード、マニューバビリティ、フィッシャビリティの全てをかなえるセンターコンソールを完成させた。
V-46
VALHALLA V-46
全長 15.1 m (エンジン含む)
全幅 4.1 m
喫水 1.1 m
重量 12.34 ton (450HP×4基含む 軽荷)
最大搭載馬力 2,400 HP
燃料タンク 2,627 L
清水タンク 265 L
4モデルのVALHALLAフリート
2019年1月、VIKING YACHTSは、VALHALLA BOATWORKSの設立と最初の3モデル建造を発表、その年10月のフォートローダーデールショーで「V-33」、「V-37」、「V-41」がワールドプレミアされた。そして2021年1月のVIKING VIP showでは、次のフラッグシップとなる「V-46」をワールドプレミア。わずか2年で、33フィートから46フィートまで、4モデルのVALHALLAフリートが出揃った。
「V-46」を含む全4モデルは、全てマイケル・ピータースのデザイン。その最大の特徴は、特許取得済みのStepped-V Ventilated Tunnel Hull。2つのステップとその後方の中央部が窪んだトンネルが、高速で効率的なパフォーマンスを生み、トンネルを区切る垂直のストレーキがキールのような機能を果たすことで、急旋回時もステップドハル特有の横滑りがなく、正確なハンドリングと安定したマニューバを描くという。また、トランサムデッドライズ24度のディープVハルが、波の中でもソフトな乗り心地を提供する。
V-41
VALHALLA V-41
全長 13.18 m (エンジン含む)
全幅 3.53 m
喫水 0.84 m
重量 8.32 ton (450HP×4基含む 軽荷)
最大搭載馬力 1,800 HP
燃料タンク 2,108 L
清水タンク 185 L
VALHALLAフリートの中で最も小さい「V-33」は、MERCURYの300、400、450Rか、YAMAHAの300をツインで搭載。MERCURY 400ツインのトップスピードは56ノットを記録。また、SEAKEEPER 2を搭載することもでき、快適性も向上させている。「V-37」は、MERCURYの300、400、450RかYAMAHA 300のトリプル、または、YAMAHA 425のツインからチョイス。SEAKEEPER 3を搭載することができる。初代フラッグシップの「V-41」は、MERCURYの300、400、450Rのクワッドもしくはトリプルの他、YAMAHA 425のトリプルを選択することができる。標準的なエンジンのMERCURY 400、4基掛けの場合でも、トップスピードは63ノットを超える。そして、新たなフラッグシップとして加わった「V-46」は、MERCURYの300、400、450Rのクワッドを搭載。各パッケージはフライバイワイヤーの電動パワーステアリングシステム。ジョイスティックコントロールやGPSステーションキーピングシステムを使うことができる。
V-37
VALHALLA V-37
全長 11.91 m (エンジン含む)
全幅 3.05 m
喫水 0.91 m
重量 5.80 ton (300HP×3基含む 軽荷)
最大搭載馬力 1,350 HP
燃料タンク 1,779 L
清水タンク 148 L
V-33
VALHALLA V-33
全長 10.74 m (エンジン含む)
全幅 2.97 m
喫水 0.76 m
重量 4.96 ton (300HP×2基含む 軽荷)
最大搭載馬力 900 HP
燃料タンク 1,238 L
清水タンク 148 L
VALHALLAのセンターコンソールは、比類のないパフォーマンス、エンジニアリング、快適さ、品質、フィッシャビリティを提供。ハードコアのフィッシャーマンを満足させ、家族で楽しむスポーツクルーザーや、豪華ヨットのテンダーボートとしても活躍している。すでに溢れているといわれるメガパワーのセンターコンソール市場で、VALHALLAは、デザイン、アコモデーション、パフォーマンスの面で新境地を開拓し、世界でトップクラスの高性能センターコンソールビルダーとしての地位をすでに確立しているのだ。
■問い合わせ先
キーサイド TEL: 045-773-0777
www.quayside.co.jp
https://www.valhallaboatworks.com/
PerfectBOAT 2021年9月号掲載
https://www.fujisan.co.jp/product/1281681872/b/2146809/