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BOAT&YACHT

SARGO 28 Explorer

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フィンランドボートのスタンダードといえるトラッドなデザインの 28 フッター質実剛健な走り、2 キャビンを備えオーバーナイトも快適なファミリークルーザー

text: Yoshinari Furuya
photo: Aleksi Mäkinen
Finnboat Floating Show 2023, SARGO
special thanks: SARGO Oy Abhttps://sargoboats.fi
Finnish Marine Industries Federation Finnboathttps://www.finnboat.fi

「SARGO 28(サルゴ28)のトラッドなデザインは、1988年発表のフライブリッジを搭載した初代28「MINOR28Columbusや、1990年のリアドアタイプ「MINOR 28」に始まり、2010年の「MINOR Offshore 28」で 現在のフィンランドボートスタイルに辿りつく。

  マーケットを拡大する中、2014 年にブランドの名称を「MINOR(ミノ ア)」から「SARGO(サルゴ)」に変更。2021 年には、現行モデルとなる第4世代の28フッタ―「SARGO 28」を発表。そして2022年、この最新モデルをベースにした「SARGO 28 Explore(r サルゴ28エクスプローラー)」 が投入され 、S ARGOのラインナップが完成した 。MINORからSARGOに引き継がれた28フッターは、フィンランドボ ートのフィロソフィを受け継ぎながら細部にわたりブラッシュアップ。フィンランドボートのベンチマーク として歴史を塗り替え続けている 

機能性とメンテナンス性の両立

SARGO28Explorerがプロユースのキャプテン達にも支持される理由 の一つは、機能性やメンテナンス性の高さだ。例えばトランサムステップ。 トランサムステップ中央には、開閉できる大きなハッチが備え付けられ、ス ターンドライブの様子をトランサムステップ上から確認することができる。 チルトアップをすればプロペラに巻きついたロープもトランサムステップ上から手を伸ばし取り除くことができる。また、限られたスペースを有効に使うため、トランサムにはフェンダーホルダーが備わる。アフトデッキの下にはエンジンルーム。エンジンの載せ替えすらも容易にできるワイドなエ ンジンハッチ。このメンテナンス性の高さも、選ばれる理由だ。

 アフトデッキも機能的。左右にはボックスシート。キャビン後方、イーブスの下にはフィッシングにも使いやすい一体化したベンチシート。アフトデッキの中央に脱着式のチークテーブルを固定すれば、アフトデッキは テラスラウンジやアウトドアダイニングとして使うことができる。また、このテーブルは、エンジンハッチの裏側に固定し収納することができる。スペース効率が考えられたエクステリアも北欧スタイル。

フィンランドボートが日本でも人気が高い理由は、ウォークアラウンド デッキの使いやすさだ。それは、日本人の好きな釣りに適したレイアウト。 アフトデッキからサイドデッキ、バウデッキへ自由に移動し、どこでもロッドを出すことができる。風や流れに影響を受けるキャスティングやジギングをはじめ、多くの釣りに有利となる。釣りをメインに考えるのであれば、アフトデッキのボックスシートのレス仕様も選べるし、左右のボックスを強制循環イケスに変更することもできる。また、フィッシングボートとして使いやすいだけでなく、ボートステイのためのキャビンを持つことで、オーバーナイトを可能にした。家族単位でボートライフを楽しむ北欧スタイルから生まれたデザイン。クルーズ&フィッシングのアドベンチャーができるのも楽しい。お洒落で居心地の良いデザインがファミリーに喜ばれている。

  アコモデーションも巧みにデザインされ、想像を超える広さと快適さ を誇る。バウキャビンへは、コクピットの横から、チークのキャビンドア やハッチを開けてステップを降りる。2 つ折りのキャビンドアやハッチは 省スペースでドア自体が邪魔にならない。このマスターステートルームには、2 人が寝ることができるダブルのバースが用意されている。ポート サイドには、ハンギングロッカー。スターボードサイドには、独立した専用ヘッドコンパートメント。いずれも十分な高さが確保されている。

28フッターでは珍しい2キャビンの造り

 もう一つのベッドスペースは、ラウンジの床下に設けられたロアキャビン。キャビンへ降りるステップは、ラウンジソファの座面を上げると現れる。脱着式のクッションを取り付ければ、スクエアなダブルベッドが完成。ヘッドクリアランスは低めだが、マスターステートルームのベッドよりも広い。昼間は荷物置き、夜は子供達の大好きな秘密基地。28フッターでありながら、2 キャビンの合計で、大人 2 人、子供 3人がステイで きるスペース。グランピングのような楽しいボートステイ体験が子供達の記憶に残るだろう。

  SARGO28Explorer の魅力は、機能性やメンテナンス性、デザイン やアコモデーションだけではない。SARGO 全モデルに共通する、シーワージネスやマニューバビリティにも妥協はない。エンジンは VOLVO PENTA D6-380DPI。トップスピードは3,600rpmで37.1ノットに達する。 波をソフトに捌き、軽快にマニューバを描く。フィンランド西岸、ボスニア海の厳しい海が鍛え上げた走り。海況を選ぶことができないポリスやコーストガードに採用されていることが、その堅牢さを証明している。 SARGO BOATSのキャッチフレーズは「The All Season Boat」。北欧の冬の海でも快適に過ごすことができるボート。それこそが、日本の厳しい海にもフィットする理由なのだ。P.B. 

SARGO 28 Explorer 全長 9.20 m
全幅 2.99 m
喫水 1.05 m
重量 4.40 ton
エンジン 270 – 400 HP
燃料タンク 375 L
清水タンク 100 L
問い合わせ先 オカザキヨット
TEL: 西宮 0798-32-0202、 横浜 045-770-0502 https://okazaki.yachts.co.jp