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SCOUT 277 LXF – Luxury Small

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2019年にデビューした「SCOUT 277 LXF(スカウト277LXF)」。
2012年~2019年まで建造されてきた人気の275LXFに新しいエッセンスを加えた新世代の27フッターだ。
特徴は、スピードと燃費、高品質で高剛性な優れた設計。細部まで一切妥協しない造りとフィッシャビリティ。
そして、フィッシングだけでなく、クルージングやマリンレジャーのための快適なエクステリア。
SCOUTのフィロソフィを引き継いだ第2世代の「277 LXF」を紹介しよう。

text: Yoshinari Furuya
photo: SCOUT BOATS www.scoutboats.com

ラグジュアリー・センターコンソーラー
というジャンルを創りあげた「SCOUT」

 SCOUT創業者のスティーブ・ポッツは、14歳からボートビルディング業界で働き、1980年代に「SCOUT BOATS(スカウト)」を設立。それまで存在したプロダクションボートとは一線を画した高い品質で建造されるセンターコンソーラーは、競合相手のほとんどいないニッチなマーケットを開拓した。

 2008年のリーマンショックでは、世界経済が冷え込み、多くのビルダーが経営不振に陥り、合併や買収が進む中でも、建造が止まることはなく、ニューモデルの開発や投入も次々と行う。2009年以降年間25%以上の成長を続け、北米で最も成功したボートビルダーの一つとなった。現在は、サウスカロライナ州最古の港湾都市チャールストンからおよそ40kmの内陸に位置するサマービルの工場で建造。工場も拡大を続けている。

 今回紹介するモデルは、2019年に発表された「SCOUT 277 LXF」。ラグジュアリーセンターコンソーラーと分類された25フィートから53フィートのLXFシリーズ8モデル中、255LXFに次ぐ2番目となる27フッター。2012年から2019年まで建造された、クラスを超えた走りとフィッシャビリティで人気を博した275LXFの後継モデルだ。275LXFをベースに全てを見直し、ブラッシュアップ。277LXFとして生まれ変わったのだ。

他のビルダーには決して真似できない27フィートの「ラクジュアリー・スモール」

 今回紹介するモデルは、2019年に発表された「SCOUT 277 LXF」。ラグジュアリーセンターコンソーラーと分類された25フィートから53フィートのLXFシリーズ8モデル中、255LXFに次ぐ2番目となる27フッター。2012年から2019年まで建造された、クラスを超えた走りとフィッシャビリティで人気を博した275LXFの後継モデルだ。275LXFをベースに全てを見直し、ブラッシュアップ。277LXFとして生まれ変わったのだ。

 277LXFの特徴の一つは、優れた走行性能。275LXFでも高い評価を得ていたボトムデザインをベースに走行面を約4インチ長くしてトランサムでのスプラッシュを取り除き、アウトボードを5インチ上げスピードと燃費をさらに改善。トランサムプラットフォームと一体のアウトボードブラケットもリニューアル。フルビームの幅で平らな「フルトランサム・ウォークスルー・プラットフォーム」に変更。左右どちらからもエントリー可能で、左右の移動もしやすい。このプラットフォームには、高級ホテルのプールサイドやラグジュアリーヨットにも使われるESTHECが貼られ、デザインと機能の両立が図られている。このシンセティックチークESTHECは、色あせもなく滑りにくく、汚れや傷に強く腐食しないのでノーメンテナンスだ。またトランサムには、格納式のスイミングラダーの他に、トランサム中央にトーイングスポーツ用のスキーパイロンが装備され、ウォーターレクリエーションにも対応している。

 スターボードサイドのトランサムドアからデッキに入る。トランサムからバウまで全周にコーミングパッドが付けられ、リュクスな印象を与え、安全性も高い。アフトデッキは、広く機能的。トランサムに格納されているのは、リトラクタブルのペアシート。ポートサイドのコーナーには、海水ポンプで循環されるベイトタンク。左右の床下にはフィッシュボックス。ポートサイドには、大きく開閉し、ビッグフィッシュの取り込みを容易にする「スイング・イン・ドア」が付いている。センターコンソールの後方には、ヘルムシートと一体のマルチステーション。アフトデッキ側には、シンクとアイスボックス、カッティングボードがついたミニシンク。フィッシング中の手洗いやデッドベイトの作成、釣った魚をさばくギャレーとして使いやすい。シンクの上には、ロッドホルダーとドリンクホルダー、下には、スライド式のストレージもあり、フィッシングギアや仕掛けを準備しておけるので便利だ。

 センターコンソールの向かいには、2人掛けのベンチシート。ヘルムシートとナビゲーターシートが一体となるベンチシートだが、フリップアップは2分割されているので、使い易い。アームレストやフットレストも装備されているので、長時間の移動もリラックスした姿勢で操船することができる。センターコンソールも特徴的。粉体塗装が施されたアルミ製のTトップと一体のコンソール。スポーティなデザインコンソールの中は個室のトイレ。フロントとサイドのウィンドシールドは、エンクロージャーよりも視認性の高いフレームレスの強化ガラスで囲まれている。飛沫や雨が入らない最上部だけは風が抜けるようになっている。大型の電子航海機器が装備できるボックスや、スロットルレバー、フットレストなどを装えたヘルムステーションは全面をスターン側に開くことができ、電装系のトラブルやメンテナンスの時でも、簡単にアクセスすることができるようになっている。他に、チルト付き油圧ステアリングやトリムタブ、4か所の7.7インチJLオーディオスピーカーを備えたFusion Bluetoothステレオが装備されている。Tトップは、軽量化されたFRPのハードトップ。ハードトップの下にはVHFなど無線機やコントローラーを搭載するのに最適な一体型のボックス。後部には粉体塗装の5連ロケットランチャー。Tトップは、機能だけでなく、サイズや配置、塗装の仕上げなど品質やバランスが見事だ。

 フォワードデッキに面したセンターコンソーラー前面には、2人掛けのベンチシート。座面の下には断熱材で覆われたクーラーボックス。フォワードデッキには、脱着式のチークトップテーブルを囲むV型のラウンジシート。脱着式のバックレストを装着すれば、足を伸ばして、前向きに座ることができる。アンカーロッカーの左右にポールを立て、Tトップから展開するサンシェードのオプションも人気。また、座席の下やフロアの下にはストレージがあるので、キャビンのないセンターコンソールには貴重なスペースとなる。

 「SCOUT 277 LXF」は、単なるセンターコンソーラーではない。高性能なフィッシングボートとハイスペックなスポーツクルーザーをブレンドしたラグジュアリーボート。フィッシング、ウォータースポーツ、クルージング……、ファミリーや友人と気軽に安全に出航できるハイエンドなマルチパーパスボートとして日本の海でも活躍するだろう。

SCOUT 277 LXF
全長 8.46 m
全幅 2.74 m
喫水 0.48 m
重量 2.56 ton (艇体のみ)
最大搭載馬力 450 HP
燃料タンク 621 L
清水タンク 49 L
問い合わせ先 スカウト・ディーラー・ネットワーク
 関東:ハウンツ TEL: 045-778-1532
 中部:ラヴァンスマリン TEL: 0533-65-8906
 中部:バーレット TEL: 0596-38-1091
 関西:グレートカンパニー TEL: 06-4701-8888
 沖縄:オーシャンズ TEL: 098-975-5038
www.scoutboats.com

PerfectBOAT 2021年10月号掲載
https://www.fujisan.co.jp/product/1281681872/b/2158718/