CREATION C26
2023年にデビューしたニューカマー、「クリエイション」の「C」シリーズは、
クリエイションのプロデュース、薄雅弘氏によるデザイン、そして台湾メイドという組み合わせのニューコンセプトボートだ。
今回はその最初の量産モデル「C26」を体験。最大250馬力まで搭載可能な重量級だが、
今回の艇は150馬力搭載ながら最高速度は29ノットオーバー。
湾奥などのフィッシングユースにもぴったりな一艇である。
text: Atsushi Nomura
photo: Makoto Yamada
special thanks: CREATION https://creation-marine.co.jp
フィッシングユースにぴったりの軽快さと使いやすさ
カスタマイズにも柔軟に対応する、この先も楽しみなクリエイションの「C」シリーズ
2023年春のJAPAN INTERNATIONAL BOAT SHOWで登場した「クリエイション」のニューカマー「C」シリーズは、日本を代表するボートデザイナーである薄雅弘氏が手がけたニューコンセプトボートだ。現在、ラインナップは「C26」、「C28」、「C40」の3モデルが発表されており、「C26」がボートショーに出展されていた。いずれもプロデュースはクリエイションが行い、台湾のボートビルダーで建造するという、従来からのクリエイションのオリジナルボートのスタンダードなスタイル。「C26」はUNI LIGHT BOATS(ユニライトボート)、「C28」「C40」はBING CHEN YACHT(ビンチェンヨット)が実際の建造に当たっている。
「C」シリーズはかなり以前からプロジェクトが進んでいたそうだが、COVID-19による渡航制限により台湾との往来ができず、「C26」のプロトタイプの完成も遅れたそうだ。プロトタイプはほぼ艤装などもなされていない状態で日本に到着、「C26 Esperanza」という名の特別艤装 “0号艇” としてオーナーの手に渡っている。実質的なハルナンバー1以降は量産モデル「C26」という扱いで、今回の艇はその “1号艇” だ。
C26は、全長7.90m×全幅2.35m、3トン強というハルはかなりの重量級である。実際、ハルは相当に分厚いFRPで製造されており、シートライアル時には波当たりへの強さを体感できた。250馬力までのアウトボードをチョイス可能で、今回の艇はシングルYAMAHA F150Dを搭載。また “2号艇” には話題のディーゼルアウトボード「OXE200」が搭載されているそうで、改めて紹介する機会もあるだろう。
デッキレイアウトはオープンセンターコンソール&バウカディ。センターコンソールを中心にウォークアラウンド形状となっている。薄デザインらしいスクエアバウも特徴だ。なおC26のハルは同じく薄デザインの電動船外機搭載モデル「ESTRELA」がベースになっているという。
全幅2.35mと26フィート艇としてはやや細めだが、デッキ上では見た目よりも広く感じる。コクピットは全体に深めで、アフトデッキのブルワークトップの位置は成人男性の太もも~足の付け根くらいある。フォアデッキは一段高く、こちらはグラブレールで囲われておりキャスティングなどの際にも身体をホールドしやすい。アフトデッキはかなり広いスペースがあり、中央にテーブルもセット可能。オプションでデッキ全体にSEADEKが貼られており、実に美しい。
中央のセンターコンソールは上部にハードトップが取り付けられており、後方のドライバーズシートと一体化している。やや前傾したフロントウインドウはまるで北欧のボートを思わせる。ヘルムステーションはコンソール右に位置し、ステアリングホイールを中心に2面のディスプレイ、スイッチ類が整然と並ぶ。またこのサイズながらバウスラスターも取り付けられている。ヘルム脇のドアからカディ内に入ると、思いの他高さが確保されている。面白いのは右側にオフセットされたマリントイレ。隔壁に背中を押し付けて利用するとちょうど良さそうだ。
重量のある船体が生み出すソフトな乗りごごち
シートライアルは堺港の水路で行った。1,600rpmで6.7ノット、2,200rpmで7.6ノット、2,600rpmで9.8ノット、3,000rpmで11.8ノット、3,400rpmで14.8ノット、3,800rpmで19.4ノット、4,200rpmで22.5ノット、4,600rpmで25.3ノット、5,000rpmで26.8ノット、最高5,400rpmでトップスピード29.3ノットをマークした。他船の引き波に突っ込んでみるが、やはりハルの剛性があり、波当たりはソフト。巡航の22~23ノットに落としスラローム。極端な急制動を行っても安定感がある。
C26はさまざまな艤装やカスタマイズにも対応可能な魅力的なオープンボートだ。フィッシングユースを中心にさまざまなシーンで活躍してくれそうなモデルである。今後も登場するであろうクリエイションのCシリーズは要注目だ。P.B.
CREATION C26
全長 7.90 m
全幅 2.35 m
重量 3トン強
エンジン YAMAHA F150D
最高出力 150 HP
燃料タンク 200 L
問い合わせ先 クリエイション TEL: 072-223-5884
https://creation-marine.co.jp/new-26