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MEGA YACHT

CRN 50m “Latona” – Captain Nigel’s Mega Choice #127

MEGA YACHT

英国海軍からチャーターヨットまで様々な船を渡り歩き、これまで30万海里以上にもなる航海経験をもつキャプテン・ナイジェル。
世界のトップセレブリティを相手にチャーターやコンサルティングを手がける彼が、
独自のネットワークでつながるメガヨットの世界を紹介する。壮大かつ華麗な、メガヨットワールドをご堪能あれ。

text: Captain Nigel Beatty
photo: CRN

CRN 50m “Latona”

 最初にこのヨットに足を踏み入れてからかれこれ3年、モナコで久しぶりにまたお目にかかることができた。イタリアの「CRN」がスタイルと機能性を重視し、ゆったりとした空間と真のエレガンスを実現した全長50mのヨットだ。〈Latona(ラトナ)〉の初お目見えは2018年のモナコヨットショーだった。建造が完了したのが同年の5月。モナコでの初披露までたった数ヶ月しかなかったが、密かにオーナーはこのヨットを楽しんだそうだ。

 スレンダーなハルが印象的なこのヨットのテクニカル面は全てCRNのエンジニア部門によるものだ。全長50m、4層のデッキに加えてアンダーデッキもあるという構造が珍しい。

 このヨットでまず驚くのがアウトドアスペースの豊富さだ。地中海スタイルのサンデッキから船首のラウンジエリア、アウトドアリビングエリアは後方にあり、海を一望できるテラスも充実している。
 船尾にあるテンダーボートデッキは80平方メートルの広大なオープンスペースにラウンジとビーチクラブがある。そこには日光浴エリア、フィットネスエリア、インドアプールなど、子供でも安全に楽しめるスペースとなっている。航海中はこのスペースがテンダーボート格納庫となる。

 ビーチクラブのすぐ上にはもう一つのプールが設置されている。このヨットのカラースキームでもあるライトブルーとターコイズカラーに包まれたリビングエリアは広くスペースを取っており、ゆったりとくつろげるアウトドア空間となっている。

高価な大理石に美しい家具……

 船内に目を向けてみよう。高価な大理石に美しい家具、そしてハンドメイドの装飾品の数々……、そのエレガントな組み合わせに目を奪われる。
 メインデッキサロンには広大なダイニングルームがあり、くるみの木を使ったスタイリッシュなラウンドテーブルが鎮座している。このダイニングエリアの大きくくり抜かれた窓からの眺めは圧巻だ。

〈Latona〉には5室のキャビンがあり10名までのゲストが宿泊可能だ。内訳は、マスターキャビン、VIPキャビンとダブルキャビンがそれぞれ2室。もちろん、キャプテンを含む9名のクルーが生活するスペースも充実している。
 船首はオーナー専用のスペースとなっている。プライベートリビングルーム、プライベートバルコニー、マスターベッドルームに海が一望できるプライベートテラスと、まるでオーナー専用のプライベートマンションのような空間だ。マスターバスルームには大理石製の円形マッサージ浴槽にシャワースペースが広くスペースをとられている。

 4室のゲストキャビンはロアデッキに位置している。2室のVIPキャビンはデッキ後方、ツインキャビン2室は船首に位置し、それぞれ綺麗なバスルーム付きだ。
 アッパーデッキにはゲストを温かく迎え入れてくれる広大なラウンジがあり、そこには白の美しいグランドピアノが置かれ、「ミュージックサロン」というピッタリの名が付けられている。「ミュージックサロン」後方はオープンダイニングとなっており、二つの大きなサンパッドが置かれている。前方もこれまたオープンリビングエリアとなっており、ゆったりと心地よくくつろげるサンルームになっている。

 地中海スタイルのサンデッキは、ダイニングエリア、ジャグジーがある日光浴エリア、そしてオープンラウンジの3つのエリアに分かれている。バーベキュー施設とアメリカンスタイルのバーもここにある。
 エンジンはCATERPILLARのC32(1,081KW@2,300rpm)が2基。トップスピードは16ノット、クルージングスピードは14ノットだ。

 CRNが生み出した最高傑作とも言える〈Latona〉、ぜひ今度はゲストとして心ゆくまで楽しんでみたいものだ。

CRN 50m “Latona”
全長 50.0 m / 164.0 ft
全幅 9.20 m / 30.2 ft
喫水 2.65 m
重量 498 GT
構造 Steel Hull / Aluminium Superstructure
エンジン 2× CATERPILLAR C32
出力 2× 1,081 kW
ジェネレータ 2 × CATERPILLAR C7.1
スピード Max 16 kt / Cruise 14 kt
レンジ 3,800 NM at 12 kt
燃料 50,000 L
清水 14,000 L
アコモデーション 5 cabins for 10
クルー 9
ビルダー CRN
建造 2018
ナーバルアーキテクト CRN ENGINEERING
エクステリア ZUCCON INTERNATIONAL PROJECT
インテリア CRN Interior Design
船級  Lloyd’s Register + 100 A1 SSC Yacht, Mono, G6 [+] LMC LY3


Captain Nigel Beatty
Profile ナイジェル・ビーティー:1969年、英国ベッドフォード生まれ。高校卒業後、欧州放浪の旅にでる。その後、英国海軍に入隊。航海術や操船術などを学び、海軍ヘリコプターコントロール専門の統制官になる。5年後、バハマでスキューバダイビングのボートキャプテンとなるべく英国海軍を退役。1997年にヨット界に飛び込み、ヨットキャプテンになる。英国MCA3000トンのキャプテンライセンスを所持。これまでにメガヨットのキャプテンとして、米国東海岸、バハマ、タークス・アンド・ケイコス、カリブ海、日本、中南米、地中海、インド洋、ペルシャ湾を航海し、航海経歴は30万海里以上におよぶ。2004年、スーパーヨットロジスティクス(SYL)を立ち上げ、ヨットセールス、チャーターコンサルティング、マリンパーツ販売を手がける。急速に拡大し、日本、フロリダ、オーストラリア、イギリスに拠点を置く。プロジェクトマネージャー、テクニカルマネージャー、リフィットマネージャーとして数多くの新艇プロジェクトも実施している。2008年、新人メガヨットキャプテンのインストラクターに就任。2009年には新キャプテン最終試験官に就任し、後輩キャプテンとなる生徒をビシビシと厳しく指導した。10年以上にわたり、日本だけでなく海外で、メガヨットのセールス、チャーター宣伝活動に注力している。2017年にはメガヨットセールス、チャーターを専門とするYACHTZOO TOKYO を立ち上げた。YACHTZOOはモナコをベースとしフロリダ、ロンドン、オークランドに拠点を持つ。目下、日本語誠意勉強中。日本語力はまともな焼酎を注文したり、間違えずに電車に乗れるくらい上達した。SUPER YACHT LOGISTICS JAPAN 050-5539-7667(日本語) USA +1-954-990-0094(日本語) e-mail: info@superyachtlogistics.com www.superyachtlogistics.com