
CREATION C28 0XE

注目のディーゼル・アウトボードOXE200をインストール、クリエイション・プロデュースによる28フッターオリジナル・パワーボート登場
text: Atsushi Nomura
photo: Makoto Yamada
special thanks: Creation .Co.,Ltd
https://creation-marine.co.jp
堺に本拠地を置く(株)クリエイションはさまざまなオリジナルブランドやカスタムボートのプロデュースを行っていることで知られている。特に台湾のボートビルダーと密接な関係を築いており、セールボートに始まり、小型パワーボートからスーパーヨットまで実に多彩なボートを生み出し続けている。2023年にクリエイションの新たなブランドとして立ち上げられたのがオリジナルパワーボート「C」シリーズだ。現行、「C26」「C28」「C40」(開発中)の3モデルがラインナップしている。オーソドックスなモノハルデザインのC28を除く、C26とC40については日本を代表するボートデザイナーである薄雅弘氏がデザインを担当している。実際の建造に当たっているのは、C26がUNILIGHTBOATS(ユニライトボート)、C28とC40がBINGCHENYACHT(ビンチェンヨット)だ。いずれもここ10数年で目覚ましい発展を遂げている台湾ビルダーの一角を担う。

C26については弊誌2024年2月号で紹介したが、今回はC28を取り上げる。ボート自体も魅力的だが、パワートレインにも注目が集まる。そうパワートレインにはディーゼル・アウトボードOXE200をインストールしているのだ。OXEについては後半で改めて紹介するが、まずはC28の詳細を見ていこう。


C28は、全長9.1m×全幅2.7m。ハルやスーパーストラクチャーに施されたダークグレーのカラーリングは、ブラックのレールやウインドシールド、ドアのフレームと相まって実に精悍な印象を与える。ハルそのものはオーソドックスなモノハルだが、デッキはセンター・パイロットハウス&ウォークアラウンドのレイアウトだ。C26は、オープン・センターコンソール&バウカディのレイアウトだったので、かなり性格を異にしている。C28で特に目を引くのが前傾したパイロットハウスのフロントウインドウだろう。まるでノルディックボートやフィンボートのような北欧テイストな雰囲気を醸し出している。パイロットハウスの両サイドもしっかりと行き来がしやすいスペースが取られている。デッキ及びブルワークトップには全体的にSEADEKが貼られており、見た目にも美しいが素晴らしいノンスリップ加工になっており機能的だ。アフトコクピットには各種ストレージとイケスが備わっている。フォアデッキのレールは高さがあるためキャスティングなどにも向いている。パイロットハウス前部の段差がシート代わりにもなり、キャスティングだけでなくボトムフィッシング時の釣り座としても使えそうだ。全体の印象は北欧テイストのワークボート風の格好良さがあるが、ロッドラックやホルダーなどの艤装を施せば一気にフィッシングボートに様変わりするだろう。


アフトコクピットからスライドドアを開けてパイロットハウスへ入る。ホワイトを基調に、シート類やヘルムステーションはブラックで、全体にモノトーンの色調。左舷に折り畳み式テーブルを配したダイネッティ。右舷にはシンクが備わり、その前にドライバーズシートとヘルムステーションが配置されている。ドライバーズシートの右にはスターボードサイドドアがあり、非常に使い勝手が良い。離岸着岸時はもちろんのこと、ブルワークトップに艤装を施せばキャプテンがいわゆる「手前船頭」でフィッシングも愉しめるだろう。このあたりのレイアウトは日本でプロデュースされたC28ならではと言ったところだ。またヘルムステーション左からフォアのカディスペースにアクセスできる。個室ヘッドも備わっており、簡易な仮眠スペースとしても大型ドライストレージとしても使用できるだろう。

C28のシートライアルは、クリエイションの本拠地のある堺港の沖合い、ちょうど開催中の大阪万博会場の木製リングを遠めに眺めながら行った。デッドスローで進むがOXE200はディーゼルらしい重厚なサウンドを響かせる。このあたりはアウトボード艇と言うよりインボード仕様に近いニュアンスだろう。しかしシフトレバーを徐々に押し込んでいくと一気にニュアンスが変わる。ガツンというような加速を感じられ、インボードよりもガソリン・アウトボードの雰囲気に近い軽快な走りとなる。これはエンジン云々だけでなく艇体そのものの特徴でもあるだろうが、軽快な加速感はディーゼルながらもガソリン・アウトボードとほとんど変わらないニュアンスだ。大人2名乗船でマックスは3,900rpm、29ktをマーク。もう少し攻めれば30ktには届くかもしれない。少しシフトを戻して25kt程度で各種マヌーバを試してみる。スラロームや小半径での急旋回を繰り返す。走行シーンの写真を見ていただけば分かる通り、急旋回時も緩やかなヒールを描くためかなり安定している。実際操船中も横へのGがあまりきつくなく、違和感なく各種マヌーバをテストできた。スラロームは試しても思い描いた通りのラインで走ってくれるし、走行パフォーマンスは相当に高いレベルにあると思う。もっともシートライアル時の海況は比較的穏やかだったため、自船の立てた引き波や、50フィートの撮影艇の引き波、さらには時折通る本船の引き波に突っ込んでみた。C26の時にも感じた(建造自体別の造船所だが)が、非常に剛性感がある上、波捌きも良くソフトな波当たりが印象的だ。極端な制動を実施しても落ち着いた挙動で安定した走行姿勢を保ってくれる点は非常に好感が持てた。試乗艇はC28としては〝1号艇〟に該当するモデルだが想像以上に完成度の高いボートだった。


さてパワートレインに採用されたディーゼル・アウトボードOXE 200を紹介しておこう。OXE DIESELはスウェーデンの「CIMCO MARINE AB」が開発、2016年に登場したディーゼル・アウトボードブランドだ。2016年、最初に発表されたのが200馬力のOXE200。謳い文句は「200馬力としては世界初の高性能ディーゼル・アウトボード」であり、耐久性と低燃費、低排出ガスが特徴となっている。アウトボードは世界的にもガソリンが圧倒的に主流だが、マリンエンジンの世界でも年々排出ガス規制は厳しくなっており、ちょうど2016年は一つの画期の年。アメリカ合衆国環境保護庁(U.S.Environmental Protection Agency、EPA)のマリンディーゼル排気ガス規制は、世界屈指の厳しい環境規制だが、その3次規制(Tier3)の最終年度が2016年。OXE200はEPA Tier3をクリアしている。ベースはGM製2Lターボチャージャー付きの自動車エンジン。これをマリナイズし、アウトボード化している。エンジン本体を水平に設置、シャフトでは無くプライマリーベルトで推力を伝達しているのが特徴だ。ベルト駆動により高トルクが特徴。さすがに本体重量はガソリンよりも重くなるが、燃費性能は遙かに低燃費だ。イニシャルコストを考えるとプレジャーユースでのハードは若干高いが、プレジャーユースでもかなり頻繁に使用する場合やコマーシャルユースであれば、数年でコスト面の恩恵も受けられるだろう。環境面やランニングコストのメリットを見出せればOXEという選択肢も魅力的に映るはずだ。P.B.
CREATION C28 OXE
全長 9.1m
全幅 2.7m
燃料容量 300L
エンジン 1×OXE 200
最大出力 1×200HP
問い合わせ先 クリエイション
TEL:072-223-5884
https://creation-marine.co.jp









