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BOAT&YACHT

JEANNEAU MERRY FISHER 795 SPORT

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23フィートクラスの船体に散りばめられたアイデアの数々と、優れたマニューバビリティフィッシングからマリンスポーツまでこなすフランス生まれの洒落たファミリークルーザー

text: Yoshinari Furuya
photo: Makoto Yamada
special thanks: ODYSSEY MARINE
https://www.odysseymarine.co.jp

「JEANNEAU Merry Fisher 795 Spor(tジャノー・メリーフィッシャー795スポーツ)」の特徴は、深目のブルワークに守られたウォークアラウンドと、サイドスライドドアから出入りができるコクピット。地中海だけでなく、フランスの西海岸に見られる荒れた海を想定したデザインは日本のフィッシングボートの設計思想にも似ている。

トランサムには、YAMAHA製アウトボードエンジン。ヨーロッパで人気のホワイトカラーが船体と一体感のあるデザインを生み出している。アウトボードの左右には、エンジン最後端近くまで後方に伸びる、幅750mm×長さ620mmのスイムプラットフォーム。ヨーロッパスタイルで知られるスターンファーストの係留でも乗り降りがしやすいサイズ。このスイミングラダーが備わる広いプラットフォームは、マリンスポーツのエントリーを安全に行うことができるだけでなく、海上でのエンジントラブル時にはカバーを外し整備することを容易にする。また、プロペラ周りのトラブルでチルトアップをした際にも手が届きやすくメンテナンス性に優れている。

アフトデッキには、両サイドのトランサムゲートからエントリー。ポートサイドのリアゲートを開くと、足元には強制循環イケス。エンジンのすぐ前方、トランサムの中央には、カッティングボードを兼ねたテーブルと左右にカップホルダー。ブルワークに埋め込まれたロッドホルダーとの組み合わせは、Fisherの名に相応しいエクステリア。このテーブルはアウトボードのチルトアップ時には跳ね上げることができ、下側にはローラーが付き船外機カバーを傷つけないように工夫がなされている。

スターボードサイドのリアゲートには、シャワーが埋め込まれ、海水浴やダイビング、SUPやトーイングなど、マリンスポーツを終えた後、すぐに塩分を洗い流し快適に過ごすことができる。そして、スターボードサイドには、幅420mmのサイドゲート。子供やお年寄りでも安全にポンツーンから乗船することができる。もちろん、カジキやマグロ、カンパチなど、ビッグフィッシュも無理なくランディングすることができる。クルージング、マリンスポーツ、フィッシング……全てに役立つエクステリアだ。

ベンチソファとともにU字ソファを形作る。フィッシングの時には、全てを収納し、アフトデッキを広く使う。また、トランサムソファのボックスは、固定のネジを外し船首側にずらして固定、格納されているベンチを広げれば、左右のベンチソファと一体に。アフトデッキの半分以上を埋める大型のサンタンベッドが完成する。

スターボードのサイドデッキはワイドな370mm幅。ヘルムシートの横が開くサイドスライドドアから素早く離着岸の作業に入ることができる。サイドゲートを利用した作業も最短で行うことができる。2,790mmの限られたビームを有効に生かすため、ポートサイドのサイドデッキは275mmとやや狭くデザインされている。非対称にすることで、7mクラスのウォークアラウンドボートでありながら、広いキャビンを確保している。

バウデッキにもラウンジスペース。前方を向いた幅1,150mmのベンチソファ。このベンチソファは、バウキャビン上部のオープンハッチも兼ねている。クッションや荷物を直接キャビンに出し入れすることができ、そして、アンカーウェルの上部にもソファ。その間を埋める脱着式のソファとテーブルをセットすれば、バウデッキがテラスダイニングに。バウデッキで食事をするのも楽しい。

リアドアは、3分割のスライド式。730mmのワイドな開口部。リアドア上部のイーブスには、LEDライトやスピーカーが、アフトデッキに向くように斜めの壁面に取り付けられている。このリアドア仕様以外に、リアドアの無いアフトギャレー仕様も選ぶことができる。

リアドアからキャビンに入る。ポートサイドには、ミニシンクとナビゲーター用のボルスターシート。ミニシンクの端から、ハンドレール兼、強度も高めるステンレスポールが天井まで伸びる。その上部には円形のテーブルが天井近くに固定されている。ポールを伝い下ろすことで、テーブルの高さを自由に変えられ、収納場所にも困らないアイデアだ。そして、スターボードサイドにはヘルムシートと、後部にパッセンジャーシート。3つの座席は回転させ、向かい合わせることができる。手動で開閉できる700mm×750mmの明るいサンルーフや、シート下のリフリジェレーターなど、キャビンライフを豊かにしてくれる装備が充実している。

バウキャビンは、ベッドだけでなく独立した個室トイレも備わる贅沢なもの。天井高は1,450mmと高く、シンクも用意され、安心してマリンライフを楽しむことができる。そして、ベッドは1,800mmの長さが確保されたL字のシングルベッド。三角のスペーサーを取り付ければ、斜めに配置されたセミダブルにサイズアップ。この専用スペーサーは、スペーサーを外すことなく、トイレのドアを開閉できるように計算されている。

サイドスライドドアからヘルムシートに乗り込む。視認性の良いシッティングポジション。遮るものがない1枚ガラスのフロントウィンドシールドは、77~78度に逆傾斜するワークボートスタイル。水滴を残しにくく、キャビンの容積を広げるワークボートスタイルは、ルーフがイーブスの役目をし、光が入りづらく乱反射を防ぐ。その手前には、ワイドなグラスコクピット。ステアリングホイール、スロットルなど操作系はエルゴノミックデザイン。長時間の操船でも疲れにくいポジションにデザインされている。

バウスラスターを使い、桟橋から離岸する。スターンファーストやバウファーストの係留が多いヨーロッパではコンパクトボートにも必須の装備だ。港を出て、スロットルを倒し加速する。パワートレインは、250馬力のYAMAHAV6アウトボード。2,000rpmで6.9ノット、3,000rpmで8.7ノット。3,500rpmから一気に加速し、4,000rpmでは20.1ノット。少しノーズを上げた姿勢で安定し、スムーズに加速する。5,000rpmで25.9ノット。そして、ラフな海面の中でトップスピードは31ノット。7mクラスのキャビンクルーザーでありながら、高いスタビリティを保ち、恐怖心を感じさせない走りで、30ノットオーバーを記録。波あたりもソフトで、クイックなレスポンス。思い描いた通りに旋回をする高いマニューバビリティ。走りも“Sport”だ。

Merry Fisher 795 Sportは、ハルレングス6.97m(22フィート)とは思えないボリュームとクルージングのための充実したエクステリアやインテリアが魅力。ウィークエンドを家族で快適に過ごすことができる。また、フィッシングを強化すると同時に、カヤックやSUPを搭載できるキャリアを装着し、マリンスポーツを取り入れたマルチパーパスなファミリークルーザー。しかも、ドライビングが楽しいスポーツボートでもある。7mクラスの想像を遥かに超える居住性や走りを手に入れた究極のファミリークルーザー。その巧みなデザイン、アイデアこそ、Merry Fisher 795 Sportのキャラクターなのだ。P.B.

JEANNEAU MERRY FISHER 795 SPORT
全長 7.19m
全幅 2.79m
喫水 0.92m
重量 2.17ton
エンジン YAMAHA F250
最高出力 250HP
燃料タンク 280L
清水タンク 100L 
問い合わせ先 オデッセイマリーン  
TEL: 046-875-0650
https://www.odysseymarine.co.jp