
PRESTIGEM48
今夏、YAMAHAから「PRESTIGEM48」カタマランモーターヨットが販売開始!カタマラン大国フランス、そのエスプリ溢れるPRESTIGEが満を持して投入した「M-Line」

text: Atsushi Nomura
photo: PRESTIGE YACHT
special thanks: YAMAHA MOTOR https://www.yamaha-motor.co.jp
フランスBENETEAUグループの「PRESTIGE(プレステージ)」は、2020年からヤマハ発動機が日本輸入元を務めており、これまでフライブリッジモデルの「460」「520」が輸入されてきた。そして間もなく日本に初上陸するのが、48フィートのカタマランモーターヨット「PRESTIGEM48」。2022年秋のCannesYachtingFestivalでワールドプレミアされたモデルだ。PRESTIGEは40~70フィートレンジのモノハル(単胴)サロンクルーザーで屈指のビルダーとして知られてきたが、満を持して、カタマラン(双胴船)市場に初進出したのである。
「PRESTIGEM48」は、長らくPRESTIGEのデザインを手がけているイタリアのGarroniDesign(ガローニ・デザイン)と、フランスのボートデザイナーPhilippeBriand(フィリップ・ブリアン)が共同でデザイン。全長は14.79m、全幅は6.00mで、同社のモノハル艇「PRESTIGEX70」の全長21.83m、全幅5.34mに比べると如何にワイドビームかが分かる。48フィート艇ながら居住空間は60フィートクラスに匹敵するという。

トランサムの左右は固定式のスイミングプラットフォーム、その中央に上下動する電動プラットフォームが設置されている。下げればトランサムに設けられたガレージにアクセスでき、海水浴だけでなくスキューバタンクや各種マリングッズの上げ下ろしにも便利だ。フォアデッキには大型ソファ、サンパッドスペースなどが揃う。
広々したフライブリッジは左舷にヘルムステーション、右舷にL字ソファと大型テーブル、後方にサンベッドが並ぶ。全周をウィンドウに囲まれ採光性に優れたサロンはやや高い位置にあり、その分ロアフロアのヘッドクリアランスを確保している。サロンには独立したギャレー、大型ソファ&テーブルが配置され、アフトコクピットとの一体感にも恵まれている。サロンのヘルムステーションは右舷前方に配置される。

ロアフロアには、フォアにフルビームのマスターステートルームを配置。アイランドタイプのキングサイズベッド、左舷側にシャワー付きバスルーム、右舷側にヘッドコンパートメントがある。その後方にはサロンから直接アクセスできる二つのゲストステートルームを備えている。右舷はシャワー付き専用ヘッドのあるVIP仕様、左舷は共用ヘッド付きのゲストルームとなっている。
パワートレインは2基のVOLVOPENTAD4-320エンジンとVドライブを搭載。最高速度は20ノットとされている。カタマランハルの大きなメリットは、停泊中はもちろん、走行中のローリングも抑制され、素晴らしい安定性を持つ点だ。さらに一般的なモノハルより接水面積が約20%低減されており、低速走行時の低燃費を実現している。また、全幅6mというのは他社同クラスのカタマランに比べるとやや細身な部類であり、日本のバース事情にも対応しやすいというメリットもある。もっとも、最近は日本でも複数のマリーナで、大型カタマランに対応する専用バースの整備が進められている。ヨーロッパのボートショーでは以前からマルチハルエリアを設けて多数展示しており、マルチハルは世界的なトレンドだ。

ヤマハ発動機が「PRESTIGEM48」を輸入するというニュースは、ボート業界でも大きな驚きをもって捉えられた。日本の受け入れ態勢も整備が進み、本格的なマルチハル時代の到来を感じさせてくれる。なおPRESTIGEはカタマランのM-Lineの次なるモデルとして、65フィートクラスの「M8」も既に発表している。PRESTIGEの新たなフラッグシップ、それがM-Lineなのだ。P.B.
PRESTIGE M48
全長 14.79 m
全幅 6.0 m
喫水 1.2 m
重量 18.63 ton
エンジン 2× VOLVO PENTA D4-320 最高出力 2× 320 HP 燃料タンク 1,200 L
清水タンク 600 L
問い合わせ先 ヤマハボート横浜店
TEL: 045-775-1150
ヤマハボート西宮店 TEL: 0798-37-2044
http://www.yamaha-motor.co.jp/marine/

