Thailand Boat Festival Phuket Yacht Haven Marina, 13-17 November 2024
まさにボーティングパラダイス、アンダマン海の真珠「プーケット」100feetオーバー、メガヨットクラスが居並ぶマリーナでステイ&チャーターの悦楽
text: Yoshinari Furuya
photo: Yoshinari Furuya

ビーチリゾート「プーケット」が最も輝く乾季を迎える11月。そのトップシーズンのスタートとなる11月13日から17日の5日間にわたり、「Thailand Boat Festiva(lタイランドボートフェスティバル)」が開催された。このプーケットを代表するボートショーでは、地元タイのボートビルダーから30メートルを超えるスーパーヨットまで、海上に展示されるボートヨットの出展数は45以上。日本のボートショーを凌ぐサイズのボートやヨットがプーケット最大のマリーナPhuket Yacht Havenに集結。高台に建つクラブハウスの前に広がるウッドデッキやクラブハウス横のスペース、クラブハウスの丘を降りた通路の3ヶ所に分かれ、マリングッズ、ホビー、マリンアクティビティ、関連のサービスやチャーターヨットなど100以上の会社やブランドが出展。多くのテントとバナーが設置された。もちろんマリン以外にもインテリアやアクセサリーなどマリン雑貨の販売や、飲食店も出展し来場者を楽しませている。


メイン会場のクラブハウスを後に階段を降りると、スカイブルーのカーペットが敷かれ、桟橋の左右にはボートフェスティバルのバーチカルフラッグが旗めく。固定桟橋の先端には非接触のカードキーで自動に開くガラスドア。そのセキュリティゲートを抜けるとポンツーンに降りるスロープ。正面にはメインのポンツーンが真っ直ぐにのび、ポンツーンの左右には、展示艇とバナーで装飾された展示エリアが続く。ポンツーンの突き当たりを右に曲がり、さらにその先にのびる桟橋の先端を右に回り込み終点まで。スーパーヨットクラスも並ぶ広大なボートショーエリアは壮観だ。

このボートショーの特徴の一つは、5日間を通し12:00~20:00という開催時間。明るい昼間は船をチェックするには適しているが、暑さで家族は同行しない。夕刻からがボートショーの本番。見学しながら、夜の雰囲気を家族にも十分に楽しんでもらう。購入者やVIPを招待し盛大にパーティーを催すブースもある。来場者数は10,000人を超え、ボートショーの経済効果は日本円に換算して50億円以上と公表されている。

プーケットの4大マリーナ
世界的に知られるリゾートアイランド「プーケット」。プーケット島があるのは、シンガポール、マレーシア、タイ、ミャンマーに跨るマレー半島の西側に広がるアンダマン海。プーケットは南北に細長いマレー半島のほぼ中央に位置する。白い砂浜に青い海、ビーチ沿いに建つラグジュアリーなホテル。プーケット島といえば、そんなビーチリゾートの風景が思い浮かぶ。また、島の東にはバンガー湾を中心に、大小32の島々や奇岩を抱えており、その美しさから「アンダマン海の真珠」と呼ばれている。


そのプーケットでは、近年マリーナブームが起きている。プーケットのマリーナ産業は、観光業以外の重要な産業として位置づけられている。設備の整ったマリーナを建設すれば、アジアだけでなくヨーロッパのカスタマーが保管を希望しバースが埋まる状況だ。

港やヨットハーバーは、プーケット島の東側、バンガー湾沿岸の素朴な漁村の間に、多く点在している。その理由は、波のない静穏な海面が広がり、河口や入江があること。また、東側に広がるバンガー湾には、ピピ諸島をはじめ、有人無人に関わらず、世界的にも珍しい形状をした島々や入江が点在。ブイを拾うかアンカーリングをしてテンダーで上陸すれば、アドベンチャー気分を味わう事ができる。ボートやヨットで一度は訪れたい珠玉のクルージングエリアとして、世界的に注目を集めているのだ。特にスーパーヨットの寄港地として注目を集めるプーケット。そのニーズに応える形で、ワールドクラスの4つのマリーナ施設が建設された。タイのボートカルチャーの成長を支え、プーケット経済にもインパクトを与え続けるこれらのマリーナを紹介しよう。


まず初めに紹介するマリーナは、Thailand Boat Festivalの会場でもある「Phuket Yacht Haven Marina(プーケットヨットヘブンマリーナ)」。1997年に設立されたプーケット北東部に位置するプーケット最大のマリーナで、収容隻数は320隻。ヨットの修理やメンテナンスのための施設も充実。最大100メートル以上のスーパーヨットにも対応できるファシリティを備える。プーケット最北部、バンガー湾からさらに奥に進んだ場所に位置し、プーケットの岬と本土側から突き出た岬に守られた静穏な水域に広がるマリーナには、防波堤がない。それほど静かな海域なのだ。陸側は水際から傾斜があり、クラブハウスも高台に建てられている。クラブハウスの前面に広がる広大なウッドデッキからは、マリーナ全景を見下ろす事ができる。クラブハウス内には、マリーナレストランTheDeck。開放的なデッキで、朝食、ランチ、ディナー、イベント、パーティーなどマリーナ全景を見ながら利用する事ができる。広大なポンツーンを行き来するだけでも大変だが、平地の少ない地形のため駐車場は離れた丘の上にある。だが、心配には及ばない。ゴルフカートでの送迎やサイドカーによる荷物の運搬、ゴミや廃油の回収サービスを提供している。24時間のセキュリティサービスの他、インターネット環境も整えられ、長期滞在を快適に、安全に過ごす事ができる。


次に紹介するのが、「AoPoGrand Marina(アオポーグランドマリーナ)」。2008年に設立された4大マリーナの中で最も新しいマリーナ。クラブハウスには、レストランPort of Call Restaurantを併設。レストランの前にはリゾートホテルのようなスタイリッシュなプール。シャワー施設とともに、サウナとスチームルームも完備されている。また、海に突き出した固定桟橋上にはテラスバーd’deckbar。マリーナサイドのカウンターバーとして、洋上イベントや洋上パーティーになくてはならない存在。収容隻数は230隻。桟橋では、大型艇用に用意された最大400アンペアの陸電も設置され、最大449トンのスーパーヨットにも対応する事ができる。また、80トンと47トンのRoodbergトレーラーリフトで、最大100フィートまで上架が可能だ


3つ目は、2005年設立の「Royal Phuket Marina(ロイヤルプーケットマリーナ)」。エントランスの広場を抜けると、敷地全体を囲むようにデザインされた美しいマリーナが現れる。350隻のボートを収容でき、最大35メートルまで対応。また、マリーナ内には複数のレストランやショップがあり、食事やショッピングを楽しむことができる。そして、ゴージャスなロイヤルヴィラは、プーケットで唯一の、直接アクセスできるプライベートヨットバースを備えている。環境にも配慮したアジアで最も洗練されたハイテクマリーナでもある。最新のソーラー技術を使用して再生可能エネルギーに切り替え、マリーナ産業協会MIAによるプラスチックフリーマリーナとして誓約。英国ヨットハーバー協会の5ゴールドアンカー認証と、マリーナ産業協会による国際クリーンマリーナ賞を受賞した唯一のマリーナだ。

最後に紹介するマリーナは、プーケットにプライベートボートの停泊や整備、販売など、ボートを取り巻く環境を整えた先駆者、「Phuket Boat Lagoon Marina(プーケットボートラグーンマリーナ)」。設立は1994年。180隻の収容能力を持ち、最大32メートルのヨットに対応。40トンから120トンまで、4台のトラベルリフトが用意され、ヨットの修理やメンテナンスサービスも充実している。マリーナにはポンツーンを取り囲むように複数のレストランやショップが並び、敷地内には、プールが利用できる271室を誇るNH Boat Lagoon Phuket Hotel。長期滞在を快適に過ごす事ができる。また、PRINCESS YACHTSを筆頭に、世界的なボートブランドを輸入するディーラーのオフィスや展示場が並び、ボートの販売だけでなくヨットの運行やメンテナンスまでワンストップで任せることができる信頼のマリーナだ。



これら4つのマリーナを中心に、プーケットのマリーナ産業は、保管艇の増加や外国からのクルージングボートの寄港により急速に発展。今後、規制緩和が進めばプーケットのマリーナ産業はさらに成長し、世界的な寄港地として変貌を遂げるだろう。P.B.


