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BOAT&YACHT

APREAMARE Gozzo 35

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Mediterranean Styleand The Elegance of Madein Italy地中海ヨッティングカルチャーのフィロソフィを継承する“スモールラグジュアリー”Gozzo

text: Yoshinari Furuya 
photo: APREAMARE
special thanks: TECNOMARE INTERNATIONAL
https://www.tecnomare-yachts.co.jp

「APREAMARE(アプレアマーレ)」が生まれたのは、さんさんと輝く陽光が、紺碧のティレニア海とレモンで覆われた大地を照らすソレント。夏のソレント半島は、晴天が続き、風も弱く波もない地中海独特の気候。ビーチや岸壁は、サンベッドとパラソルを借り日光浴をする人々に埋め尽くされている。マイボートを持つ者は、静かな入り江にアンカーリングをし、水遊びや日光浴を楽しんでいる。また、リグーリア海やティレニア海沿岸をクルージングしていると、トランサムが丸く可愛らしい小型ボートを岩陰や小さな入り江で見つけることができる。このクラシカルなオープンボートが、手漕ぎ漁船や小型帆船をルーツに持つ「Gozzo(ゴッツォ)」だ。

現代のGozzoは、サイズが大きくなり、エンジンの出力も上がり、オープンデッキのモーターボートとして進化を遂げている。だが、そのデザインは、あくまでクラシカル。バウからスターンまでほぼストレートなシアーライン。デッキ後部に窪んだコクピット。小型のGozzoは、アウトボードのラダーにシンプルなティラー。大型のGozzoは、コンソールに取り付けられたラットで操作する。デッキ前部のバウデッキは高目で突起物のないフルビームのフラッシュデッキ。中央付近にマストが立つものも多く、後部に向かいサンシェードを広げ、サンパッドが敷かれたバウデッキでは日光浴を楽しんでいる。

Gozzoの中には、バウと同じようにキールが突き出しブルワークまでステムが伸びているものがある。前後のデザインがほぼ同じダブルエンダーと呼ばれるタイプだ。これは主にイタリア北部リグーリア海で生まれたGozzo Ligure(ゴッツォ・リグレ)。それに対して、トランサムが丸いGozzoも見かける。それが、イタリア南部ティレニア海で生まれたGozzo Sorrentino(ゴッツォ・ソレンティーノ)と呼ばれるGozzoだ。かつて11世紀に海洋国家として隆盛を誇ったアマルフィーやポジターノ、ローマ帝国以来の別荘地として愛されたソレントやカプリ島など、イタリア南部ティレニア海沿岸で広く愛されてきたGozzo。南イタリアでは当たり前のようにGozzoに乗り、誰もが身近にマリンライフを楽しんでいる。そう、日光浴もGozzoも、イタリア人にとってかかせないもの、ドルチェ・ヴィータなのだ。

173年前の1849年、GiovanniApreaがソレントで釣りに使用されていた手漕ぎボートと帆船を、Gozzo Sorrentinoの伝統に基づき手作りし始めたのが、ボートビルダー「APREAMARE」の起源。そして、170年近い時を経た2017年、Gozzo SorrentinoにインスパイアされたネオクラシックデザインのGozzo APREAMARE(33ft)を発表。船体の設計やスタイリング、インテリアデザインはVictory Design。そのクラシカルでありながらモダンなデザインは、翌2018年の1月に開催されたデュッセルドルフボートショーにおいて、European Power Boat of The Yearを受賞。イタリアだけでなく、世界の注目を集めることになった。そして2021年。Gozzo Sorrentinoのアイデンティティを継承しつつ、全てを見直し、完全なるニューモデルとしてデザイン。Gozzo Sorrentinoの第2章、APREAMARE Gozzo35がワールドプレミアを果たしたのだ。

2017年発表のGozzo APREAMAREと、2021年に発表されたGozzo35。その最大の違いは、船体。Gozzo APREAMAREでは、ハルデザインやスタイリング、インテリアを、PERSHINGやRIVA、COLOMBO、FERRETTIなどのデザインも手がけるVictory DesignのBrunello Acamporaが描いた。Gozzo APREAMAREのサイズは、全長11m(33フィート)、全幅3.36m、ドラフト0.85m。パワーユニットは、175hpか200hpのVOLVOPENTAD3エンジン2基掛け、もしくは230hpか300hpの1基掛けを選ぶことができる。200hpのD3を搭載したトータル400hpの最速モデルのトップスピードは31ノットを記録している。

それに対して、昨年発表されたGozzo35のハルデザインは、APREAMAREのApreamareシリーズやMaestroシリーズをはじめ、OTAMやNUMARINEなどヨットクラスのデザインからミリタリーボートまで手がけるUmberto Tagliaviniが描いたもの。全長11.2m、全幅3.7m、ドラフト0.9mとひと回り大きくなり、ボトムデザインも一新。船体に合わせパワートレインも見直された。パワーユニットはVOLVOPENTAD4エンジンの2基掛け。270hpか300hpの2種類から選べる。1基掛けの設定はなくなった。270hpと300hpそれぞれのエンジン毎にシャフトドライブかスターンドライブを組み合わせた4つのタイプから選ぶことができる。剛性は高められ、軽量化された船体。最新のボトムデザインにハイパワーエンジンを搭載したことで、トップスピードは31ノットから34ノットに飛躍している。

デッキ上のエクステリアも大きく変更された。まずはトランサム。中央が大きく開いたままのオープントランサムはサンタンベッドと一体となり閉じられた格好だ。アシンメトリックのデッキレイアウトに合わせ、スターボードサイドにトランサムゲートがつけられ安全性が高められた。アフトデッキとフラットにするため高目に設置されていたトランサムステップは、アフトデッキから1段下がった水面に近い一般的な高さに変更され、使いやすくなった。

センターにサンタンベッドを配したシンメトリックのアフトデッキは、スターボードだけにデッキが伸びるアシンメトリックなレイアウトに変更。トランサムやポートサイドのブルワークまでベッドエリアを延ばすことで、広く快適なサンタンエリアを手に入れた。また、サンタンベッド上にバックレストのクッションを置くことで、後方を向いたシェーズロングと前方のテーブルを囲むL字のロングソファを兼ねることができる仕様に。折りたたみ式のテーブルを挟み、大型化したTトップのルーフに守られたダイネッティとして使うことができる。また、ダイネッティと向かい合わせにアウトドアギャレーが配置された。船内のギャレーをデッキに移すことで、広く使い易いギャレーに生まれ変わり、快適に食事を作ることができるようになった。また、ギャレーのユニットとTトップを支えるセンターピラーが一体化することで、剛性が高くなり、Tトップは後方に大きく伸ばすことが可能に。ダイネッティは日差しから守られ、快適なシーサイドテラスが生まれたのだ。

ヘルムステーションとヘルムシートも大きく変わった。ポートサイドのシェーズロングソファはなくなり、スターボードにあったヘルムステーションはポートサイドへ。スターボードサイドは、ヘルムシートと左右対象となるフリップアップできるナビゲーターシート。コクピットへのエントリーは、センターコンソーラーと同じ左右のサイドデッキから。ヘルムステーション上部の開閉式のシールドや、スタイリッシュでオリジナリティ豊かなヘルム前方のリトラクタブルのウィンドシールドが無くなったのは少し残念ではあるが、Tトップの前方を支えるピラーと一体のフロントウィンドシールドに加えサイドウィンドウにも囲まれ、快適性や安全性は確実に向上している。また、ヘルムステーションのパネルが拡大し、大型ディスプレイ2台を設置できるようになったのも歓迎すべき変更点だ。

そして、エクステリアの最も大きな変化はバウデッキ。Gozzoらしさを最も感じさせ、アイコンとなっていた高めのチークデッキと、低く薄く丸みを帯びたデザインコンシャスなドッグハウスはなくなった。アフトデッキから続くサイドデッキの段差を無くし、ドッグハウスの外周を回りこむようにチークデッキが続く。センターコンソーラーのようなウォークアラウンドのレイアウトだ。メリットは、サイドデッキやバウデッキが深くなり、安全性や実用性が向上したこと。加えて、ドッグハウスの前方にはベンチソファが備わり、ハウス上部はサンパッドが敷かれ、くつろげる空間が確保された。

キャビンに降りるコンパニオンウェイは、ポートサイドからスターボードサイドへ変更。ナビゲーターシートをフリップアップすれば、出入りのルートは広く移動しやすくなる。ステップを降りると、スターボードサイドには、キャビネット付きのカウンター。ポートサイドには、トイレと洗面台。その奥には、チークトップの固定チェアが備わるシャワールーム。

バウキャビンがマスターステートルーム。このダブルベッドの1ルームのみとなる。カップルであれば、ボートステイを楽しむことができる充分な広さの落ち着くキャビンだ。また、充実したデッキレイアウトは、デイクルーザーとしてだけでなく、メガヨットのテンダーやセカンドボートとしても使いやすい。

APREAMAREGozzo35。それはイタリア人が長い歴史の中で生み出し、継承してきたイタリアのマリンカルチャーそのもの。その現代に受け継がれるGozzoのフィロソフィをGozzo35が今に伝え、未来に継承する。そして今年、2022年秋には、Gozzoの新たなフラッグシップ「APREAMARE Gozzo45」のデビューも決まった。APREAMAREが描き造り出す地中海のGozzoは、イタリア人だけでなく世界中の人々を魅了する。P.B.

APREAMARE Gozzo 35
全長 11.20m
全幅 3.70m
喫水 0.90m
重量 7.0ton
エンジン 2× VOLVO PENTA D4-270 Shaft Drive 
2× VOLVO PENTA D4-270 DPI 
2× VOLVO PENTA D4-320 Shaft Drive 
2× VOLVO PENTA D4-320 DPI 
最高出力 2× 270HP
燃料タンク 700L
清水タンク 170L 
問い合わせ先 テクノマーレインターナショナル  
TEL: 048-878-6806
https://www.tecnomare-yachts.co.jp