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BOAT&YACHT

SANLORENZO&Art

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ヨット&アート、デザイナーのパッションが既成概念を打ち破り新たなステージを創造する伝統から未来へ、刺激は新たなマリタイムを予感させ、哲学は変わらない「SANLORENZO」

text: Kenji Yamazaki
photo: SANLORENZO
special thanks: SANLORENZO JAPAN
https://www.sanlorenzoyacht.com/uk/index.asp

「SANLORENZO JAPAN」、その魅力は単なるショールームではないメッセージを含んでいる。オフィスは「MA5 GALLERY」と銘打たれたアートギャラリーなのだ。拠点となる座標ポイント、南青山5丁目。ネーミングはその頭文字から取ったもの。なぜギャラリーなのか?このエリア南青山5丁目はインテリアショップ、アートギャラリー、建築事務所などが多く集まり、クリエイティブな空気が漂うゾーン。CEOのKENTARO NAKANE氏は、「SANLORENZOが他のヨットブランドと異なるのは、アートとデザインの視点からの展開を目指していること。ここは単にヨットを見せるショールームではなく、常に進化し続けるアート、デザイン、インテリアを発進するプラットフォームとして設立されました。同時に、可能性のある若き気鋭のアーティストを発掘しサポートしながら、世界で活躍する存在へと後押しするバックアップハブを目指しています。そして将来、日本人アーティストの発信するSANLORENOのインテリアを実現できるように…」と。アート&デザインとマリン、その意味を探る。

BRIDGE

「SANLORENZO(サンロレンツォ)」は、他のビルダーをプレタポルテ、SANLORENZO自身をオートクチュールとして位置づける。カスタマーのライフスタイルや嗜好を通してレイアウトやインテリアを決め、一艇たりとも同じSANLORENZOはない。まさしくビスポーク、フルオーダーの気品と落ち着きに満ちた”SANLORENZO World”を作り上げていく。現在そのステージは更に進化し、これまでのヨットインテリアの既成概念を破棄、アートフルで先鋭的なデザインとのコラボレーションを取り入れている。

SANLORENZOとアートとの出会いは2010年、「SL106」でインテリアをRodolfo Dordoniがデザインしたことに始まる。これがコンテンポラリーアーティストやギャラリーとのコラボレーションの始まりであり、アートを積極的に取り入れるSANLORENZOのビジョンの反映となった。

SANLORENZOは1958年、Gianfrano CecchiとGiuliano Pecchiaの二人の船大工がヴィアレッジョに小さな造船所を設立したことに始まる。1972年Giovanni Jannettiは造船所を買収して改革を進め、1985年初めてのファイバーグラス製ボート「SL57」を登場させ話題を集める。さらに1995年最初のスーパーヨット「SL100」を発表し、メガヨット界にデビューを果たす。品質、信頼、快適性、すべてが成熟し更なる信頼を生み、1999年ヘッドクォーターをリグリア海の名勝地ポルトベーネレ近郊のラスペツィアの南アメーリアに移転。2005年には元アジムットCEOのMassimo Perottiが経営権を取得し、社名を「SANLORENZOS.p.a」に変更、快進撃を開始する。ファクトリーはラスペツィア、マグラ川に面したアメーリア、トスカーナ内陸のマッサ、トスカーナのリグリア海に面するヴィアレッジョの4か所。現在、44メートル~73メートルのスーパーヨットディビジョンと、120フィート以下のヨットディビジョンに分けられ、ヨットディビジョンにはタイムレスなSLレンジ、セミディスプレイスメントのSDレンジ、新たなアイコンSXレンジ、更に今年はSPレンジが加わった。

Photo © Guillaume Plisson for Sanlorenzo

アートを極めたSXレンジ、「SX88」は2017年9月にデビュー。そのスタイリングの刺激。メインデッキ、アッパーデッキ、アフトデッキのコンセプトワークは見事に既成概念を打ち破るものだった。Bernardo&Martina Zucconのコンセプトと造形力。翌2018年「SX76」がデビュー。更に目を見張るのはインテリア。全てが新しい解釈のもとに仕立てあげられた。B&BItaliaやCASSINAで知られるPieroLisson(iピエロ・リッソーニ)の鮮烈なメッセージ、インテリアはまるでアートギャラリーの趣が展開される。スーパーホワイトのインテリアカラーに象徴的な巻貝を思わせるループラダーがインパクトを与える。あらゆる細部にデザインが生かされ、心地よさに昇華させている。

SALOON

そして最新2022年のカンヌ・ヨッティングフェスティバルで最も話題を集めたのは、ニューモデルオープンクーペセグメント「SP110」のワールドプレミア。Tilli Antonelliの監督のもと、Bernardo Zucconデザイン、Marco Arnaboldiのスポーツハル、インテリアはPiero Lissoniの黄金チームになる新たなカテゴリーのメガヨット。なんとトップスピード110フィートで40ノットの快速。変革に加速がついた。

「SANLORENZOArts」、アートとデザイン。アートを船内に。SANLORENZOオーナーの多くはアート愛好家でありコレクターでもある。芸術の世界とヨットの親和性は素晴らしく、アートとヨッティングの概念的な繋がりを具現化するインスタレーションを通して、SANLORENZOは新しいマリタイムの創造を追求している。

2016年にはArt Basel Miami Beach(アートバーゼルマイアミビーチ)で「SD112」のフローティングインスタレーション。2017年、Triennale Milano(ミラノトリエンナーレ)で映像作品を展示。Biennaled’Arte(ヴェネツィアビエンナーレ)ではイタリアで最も重要なアーティストの一人であるAlighiero Boettiの作品展を「SL118」で開催。2018年、Milano Design Week(ミラノデザインウィーク)で「SX88」のためのPiero Lissoniのインテリアデザインプロジェクトを上演。同年、Art Base(lアートバーゼル)とのグローバルパートナーシップから、バーゼル、マイアミ、香港の3つのイベントエディションでPierolissoniのインスタレーションが話題となる。2019年のミラノFuori Salone(フォーリサローネ)では邸宅の中庭に造船所を持ち込む野心的なインスタレーション。芸術界との関係は更に深まり、同年、ヴェネツィアPeggy Guggenheim Collection(ペギー・グッゲンハイム・コレクション)のパトロンに。そして昨年のBiennale Arte2022(第59回ヴェネツィアビエンナーレ)では、イタリアパビリオンのメインスポンサーを務めている。伝統と変革、フネの形態的な進化と未来。同時に刺激し合うアートとデザイン、インテリア。SANLORENZOのネクストステージが見える。

日本インポーターの「SANLORENZO JAPAN」は、その誕生と同時に、デザインとアートが織り成す感動を提供する活動「DESIGN ART TOKYO 2022(デザイナート東京、2022年10月21日~10月30日)」のスポンサードを果たした。「MA5 GALLERY」の活動は、まさに始まったばかりだ。P.B.

■ SANLORENZO JAPAN/MA5 GALLERY 
東京都港区南青山 5-10-17
03-6712-5408
https://www.sanlorenzoyacht.com/uk/index.asp

■曖昧美 I MY ME by MARINO.
2月3日(金)~ 2月19日(日) 
12:00-19:00(水曜日定休)