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BOAT&YACHT

RODMAN 890 VENTURA

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高性能かつ無駄のない設計で海を本気で知る人たちに支持されるRODMAN成熟した価値観を持つユーザーこそが選ぶスペイン生まれの一艇

text: Yoshinari Furuya 
photo: Makoto Yamada
special thanks: ACTIVEMARINE CO., LTD
http://www.activemarine.jp

RODMAN Yachts(ロッドマン)は、地中海の太陽とは異なる、大西洋の風や波とともに質実剛健な船舶を建造するスペインの造船所。創業は1974年。昨年50周年を迎え、建造数は15,000隻以上にのぼる伝統ある造船所。本拠地は、大西洋岸の入り江を臨むガリシア州ヴィーゴ。商用船や軍用艇の建造からスタートし、コーストガード、パトロール、通船など、幅広いプロユースの船舶を中心に建造。3ヶ所の建造施設はヨーロッパ最大級。総面積は162,000㎡に及ぶ。そこでは、全長170mまでの鋼鉄製ボートをはじめ、全長45mまでのGRP製巡視艇や全長35mを超えるGRP製双胴船、さらにアメリカズカップ艇「リオハ・デ・エスパーニャ」なども建造。1980年代に入り、RODMANはプレジャーボートの分野に進出。軍用船などで培った荒海に耐える堅牢性、海上作業に即応する機能性、過酷な環境でも長期間使用できる信頼性を、プレジャーボートブランドRODMANにフィードバック。マーケットのニーズに応え、ラインナップを拡大してきた。

GRP専用施設で造られるプレジャーボートラインは、RODMANM use、RODMANE volution、RODMAN Spirit、RODMAN Venturaの4ライン。カスタマーは、プロの漁師、海軍関係者からレジャーの個人オーナーまでと幅広い。高度なGRP製造設備や、耐圧テストプール、独自の設計・開発チームを擁し、他社に頼らぬ一貫体制で年間300艇を超える船舶を建造する。これはプレジャーボートだけでなく、巡視艇・旅客艇・業務船なども含めた数だが、そのうち約40~50%はプレジャーユース。特に、スペイン、フランス、イタリアを中心とする地中海エリアで高いシェアを誇る。また、ポルトガル、モロッコなどの大西洋岸諸国や、ノルウェー、スウェーデンなどの北欧でもその堅牢性が評価されており、さらに極地仕様に対応するカスタムオーダーも受けている。近年は、南米やアジアへの進出も活発になっている。

葉山マリーナに係留されたRODMAN 890 Ventura。全長は8.90m、全幅は2.98m、最大搭載人員8名のウォークアラウンド型キャビンクルーザー。その姿は、29フッターのウォークアラウンドとは思えないボリュームあるスタイルが印象的。トランサムには、200馬力のアウトボード(MercuryV6FourStroke200)を2基搭載。トランサムボードのソファに隠れるように設置され、飛び出しは少なくまとまりのあるスタイリング。エンジンの左右には、ワイドなスイミングステップ。ゲートが備わるスターボードサイドのスイミングステップから乗船。リアゲートを通り、アフトデッキに降り立つ。アフトデッキ後方には、2,030mm幅のワイドなラウンジソファ。このソファの一部、船外機の前方部分が、バウ方向に510mmスライドすることで、船外機がチルトアップできるギミック。クラスを超えるアフトデッキを手に入れた。

デッキレイアウトは、ウォークアラウンドスタイル。1段高くなった幅250mmのサイドデッキを通り、ヘルムシート横のサイドスライドドアまで移動。この高低差は、ミジップのベッドルームを広くする。さらに、スライドドアの前方で1段上がり、バウのワーキングデッキまで安全に移動できる。

キャビンの3枚ドアをポートサイドに寄せキャビンに入る。驚くほど明るく視認性が高い。全面ガラスのリアドアやサイドスライドドア、600mm×600mmの電動のサンルーフ、高さ660mm、幅1,580mmの垂直のフロントウィンドシールド、ワイドなサイドウィンドウ。ピラーなど隔たるものを最小にデザインすることで、360度の視界と明るさが確保されている。また、垂直のフロントウィンドシールドを採用することで、キャビン内の容積を最大化。バウデッキも広くなり、サンタンベッドはクラス最大級だ。

キャビン内に目を向ける。ポートサイドには、大型のセンターテーブルが備わる向かい合わせのダイネッティ。テーブルを下げ専用クッションをはめれば、長さ1,900mm、幅750mmのシングルベッド。また、3枚ドアをスターボードサイドに寄せ、背もたれを前に倒すと、後方を向いたパッセンジャーシートに変形。停泊時には、トランサムソファと向かい合わせのシングルソファ。トローリングでは後方を向いてルアーをチェックするメザニンシートのような使い方ができる。スターボードサイドには、3つのボトルホルダーが並ぶギャレーカウンター。カウンタートップを開けるとシンクが現れる。横にはコンロが搭載できるスペース。シンクの下には、冷蔵庫と電子レンジが装備され、ファミリーで快適にステイできる。

バウキャビンに降りると、スターボードサイドには、1,770mmの天井高が確保された個室トイレ。ミッドシップには、オープンのベッドスペース。横向きのベッドは、長さ1,900mm、幅1,600mm。これは、クイーンサイズのベッドサイズ。ゆったりと大人2人で寝るのはもちろん、子どもを間に3人一緒に寝ることもできる広さ。バウキャビンは、スライドドアで閉じることができるプライバシーが守られたベッドルーム。斜めの変則的な形だが、最長2,100mmのベッドは、長身にも対応。子どもならば、2人でステイできる広さだ。ナイトスペースには、大人2人と子ども3人のステイが可能というわけだ。そして、サロンのエキストラベッドを使えば、さらに1人ステイできる。

キャビン内のヘルムシートに立ちスロットルを握る。2,000rpmで7.8kt、3,000rpmで17.4kt。ノーズアップすることなく一気に加速し、ピッチングすることなく安定して波を捌く。4,000rpmで27.3kt、5,000rpmで32.5kt。トップスピードは、5,900rpmで39.5ktを記録。見た目からは想像もできない加速力と凌波性。クルーズスピードの32~33ktで旋回に入る。剛性の高い船体と低重心の安定感。旋回と同時に内傾し、レスポンス良くマニューバを描く。横波での旋回中もふらつくことなく、しっかりと水を掴み、波を切る。飛沫は完璧にコントロールされ、デッキはドライ。ファミリークルーザーのようなスタイリングで、平凡に見えるボトムデザインだが、その俊敏性と安定性を両立させた走りは、まさにスポーツクルーザー。ミリタリーボートやレース艇の設計や建造のノウハウを持つRODMANの実力を垣間見た瞬間だ。

RODMAN 890 Venturaは、RODMANのラインナップの中でもファミリークルージングやフィッシングボートとして人気のモデル。伝統のフィロソフィを守りながらも、現代のユーザーが求める軽快さや使いやすさを見事に取り入れている。RODMAN890Venturaをひとことで言えば、「使ってみて初めて、虜になるボート」。派手さを売りにするボートとは異なるRODMANの「控えめな高性能」。使う人のことが考えられた機能的なインテリアやエクステリア、ステップの高さ、グラブレールの位置、スライドドアの開閉具合……どれを取っても、使ってみなければわからない感覚への配慮。過剰な豪華さではなく、高性能で無駄のない設計。海のことを本気で知る人たちに支持される真面目なものづくり。それは、派手な演出に頼らない、使うたびに信頼が深まるボートであること。成熟した価値観を持つユーザーこそが選ぶ一艇。RODMANとは、そういうブランドなのだ。P.B.

RODMAN 890 Ventura
全長 8.90m
全幅 2.98m
喫水 0.51m
排水量 5.15ton
燃料容量 400L
清水容量 117L
エンジン 2×Mercury V6 FourStroke 200
最大出力 2×200HP 
問い合わせ (株)アクティブマリン 
TEL:045-731-1653
http://www.activemarin