CENTOUNO NAVI VESPRO16.7m

ABYACHTSで知られるMarcoArnaboldiによる新進気鋭ビルダー「CENTOUNO NAVI」ウォータージェットのスペシャリストが新たに生み出す56ノットの美しきイタリアンクルーザー
text:Yoshinari Furuya
photo:CENTOUNO NAVI
「CENTOUNONAV(Iチェントウーノナビ)」の本拠は、ピサの北、スーパーヨットの造船所が集積するヴィアレッジョから10kmほど内陸の街マッサローザ。2020年に設立されたばかりの新進気鋭のモーターヨットビルダーだ。設立当初、30メートルの「Forza」と、40メートルの「Eterea」の2モデルのCG画像が発表され、モーターヨット業界界隈では静かに注目を集めていた。その後、全長16.5メートルの「Vespro」が加わり、カンヌに実艇が現れ、ワールドプレミアとなった。
CGが発表されただけで、実艇を見る前から話題となっていた理由は、設立者への期待感から。共同設立者の一人は、起業家でありデザイナーのManuelaLucchesi。そして、もう一人は、ABYACHTSの創設者として知られるナーバルアーキテクトのMarcoArnaboldi。リグーリア海に面した造船の街ヴィアレッジョで生まれた二人は、幼少の頃からの知り合いであり、長年の友人でもある。二人は、高性能ヨットの美学、ビジョンにおいて意気投合し、CENTOUNONAVIを設立したのだ。

ヴィアレッジョに本拠を置くMarcoArnaboldi率いるナーバルエンジニアリングオフィスは、新規建造や改修プロジェクト、専門的な技術調査におけるコンサルティングを必要とする造船所、船主、船長、仲介業者などを対象に高度に専門化した建造技術やデザインを提案。ラグジュアリーヨットやメガヨットの分野で最新の建造技術と推進システムでイノベーションを起こし、これまでに100以上のプロジェクトを成功に導いてきた。
特にウォータージェット搭載のヨットデザインでは第一人者として世界的に知られている。主要なウォータージェット製造業者と協力し、数々のモーターヨットへウォータージェットを導入。ウォータージェットの性能を引き出す船体の開発において世界有数の知見を持つ。

ウォータージェット搭載艇は、高性能ではあるが、あくまで少数派。その希少な設計機会にMarcoArnaboldiは、多くの時間を費やしてきた。最初のウォータージェット艇の建造は、ピッキオッティ造船所で働いていた80年代に遡る。MarcoArnaboldiの設計した27トン、18メートル、デッドライズ24度の船体。2基のMTU1,300馬力エンジンとRivaCalzoniのウォータージェットを搭載し、47ノットのトップスピードを記録。このプロジェクトでは、ウォータージェットの高いパフォーマンスが証明され、その後、数々のウォータージェット艇の設計を受けることになる。

ミリタリーの高速艇の設計では、ウォータージェットを搭載したVハルをテストタンクで解析。また、ウォータージェット艇の設計と同時に、アルミニウムの溶接技術や、騒音制御、耐衝撃性を研究し、実装。現代のメガヨットに適用されている有効な技術を開発している。その高速艇建造で培った技術を排水型のボートにも応用し、軽量化やボトムデザインによる経済性などプラスの結果をもたらしている。フェリー建造では、フォイルとウォータージェットを組み合わせ、450人のパッセンジャーや48台以上の車を乗せて35ノットで航行するカタマランやパッセンジャーを330人乗せて55ノットを出すことができる高速カタマランを設計。カスタムモーターヨットでは、27メートル120トンで3,000マイル航行できるロングレンジヨットや、62メートル4,500マイルレンジのスーパーヨット、プロダクションではAZIMUT86Sや103S、SESSAC68などを設計。そして、ABYACHTSの建造では、パワートレインや船体構造だけでなく、構造用接着剤や複合材料を開発。MJPのウォータージェットを搭載した36メートルのAB116では53ノット、42メートルのAB140では47ノットを記録する。MarcoArnaboldiは、小型から大型、プレジャーからコマーシャル、ファストヨットやロングレンジヨットなど幅広い設計で信頼と実績を残している。

そして、ついにMarcoArnaboldiが建造する最新のラグジュアリーヨットCENTOUNONAVIがアンベールされた。第一弾は、3モデルの内、最もコンパクトな16.5mの「Vespro」。「夕暮れ」を意味するスポーツラグジュアリー。ManuelaLucchesiがデザインする美しい造形と、MarcoArnaboldiが設計するスポーティな走りの融合だ。
Vesproのデザインは、細身でシャープな高速ボートの船体に、ラグジュアリーを詰め込んだウィークエンダーと呼ばれるオープンデッキスタイル。バウデッキには、ウォークアラウンドのチークデッキ以外、全面を覆うサンタンベッド。ハードトップに覆われたコクピットには、3連のパイロットシートとウェットバー。その後方には、センターテーブルを囲むL字ソファとストレートソファのテラスラウンジ。アフトデッキは、左右のブルワークが油圧でフラットに開くオープンデッキ。左右のソファは、広大なサンベッドに変形し、ビーチクラブになる。


ウィークエンダーと言えども、キャビンも広く、美しくデザインされている。コンパニオンウェイを降りると、スターボードには、ギャレー。ポートサイドには、L字のソファ。ストレートでシャープなアウトラインにスーパーホワイトとブラックを基調に、赤みのあるグロス仕上げのウッドが輝くモダンインテリア。バウキャビンがマスターステートルーム。ミッドシップにはツインのVIPルームが用意され、間接照明の演出と「CENTOUNO」のロゴが入るクッションやリネンがオーナーやゲストをもてなしてくれる。

Vespro最大の特徴は、そのスポーツ性能。船体はビニルスター樹脂とPVCフォームコアをカーボンとグラスファイバーでハイブリッドサンドウィッチ。軽量構造の高速ハルに1,200馬力のMAN8Vを2基搭載。パワートレインにはMJP350Xウォータージェットを組み合わせ、クルーズスピード50ノット、トップスピードは56ノットを実現。また、350マイルのレンジを持ち、リビエラのどの港からでもサルディーニャまで無給油でクルーズすることができるスペックに設計されている。P.B.
CENTOUNO NAVI Vespro
全長 16.70m
全幅 4.60m
喫水 1m
重量 19.5ton
エンジン 2×MAN8V1200hp
ウォータージェット 2×MJP350X
燃料タンク 3,200L
清水タンク 1,100L
トップスピード 56knots
レンジ 350nm@TopSpeed
問い合わせ先 CENTOUNONAVI
https://centounonavi.it
https://www.tiktok.com/@yachtmagnate/video/7284017361173187846




