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EVENT

JIBT 2025 DAY 0- DAY 1

EVENT

THE 47TH ANNUAL JAPAN INTERNATIONAL BILLFISH TOURNAMENT 第47 回ジャパンインターナショナルビルフィッシュトーナメント24-27 JULY 2025

text: Yoshinari Furuya 
photo: Makoto Yamada, Yoshiro Yamada
special thanks: JAPAN GAME FISH ASSOCIATION 
https://www.jgfa.or.jp

DAY0

日本を代表するスポーツフィッシャーの祭典、「第47回国際カジキ釣り大会(JIBT/The 47th Annual Japan International Billfish Tournament)」が7月24日~27日の4日間開催された。開催地は静岡県下田港を基地とする伊豆半島沖の海域。黒潮の恩恵を受けるこの海域は、クロカジキ、マカジキなどが多く回遊するカジキの聖地として名高いフィールドだ。その豊かな海域を目の前にした下田市は古くからカジキ漁が盛んな町。特に須崎港はカジキの突棒漁で栄えた港でもある。現在も遊漁船として活動する地元漁船も多く、JIBTの「チャーターボート」枠として利用されている。この仕組みにより、地元漁師と結びつきを深くし、JIBTを通してカジキ文化が伝承されているのだ。

JIBTの前身は、1979年に三宅島でスタートした「東京トローリングフェスティバル(TTF)」。翌年、東京ビルフィッシュ・トーナメント(TBF)と名前を改め、ハワイで開催される伝統のカジキ釣り大会HIBT(Hawaiian International Billfish Tournament)の影響を色濃く打ち出した本格的なトーナメントとして開催。1982年の第4回大会ではIGFAルール採用のもと、在日アメリカ大使館アイバーソン漁業官率いる米国チームの参戦もあり、日本初の国際カジキ釣り大会となった。初期の第1回~第6回大会は、三宅島をベースとして開催。第7回(1985年)以降は黒潮が洗う風光明媚な静岡県下田市に舞台を移し、大会名も現行と同じ「ジャパン・インターナショナル・ビルフィッシュ・トーナメント(JIBT)」と一新。交通の便も良くなり、宿泊の受け入れも充実したことで、参加者は大きく増え、48チーム145人のビルフィッシャーが競い合う大会へと発展した。その後、漁師や商店と連携した、地元に愛される大会として、毎年100チーム以上が集う、日本随一、世界でも指折りのビッグゲーム・トーナメントへ成長を遂げたのだ。

JIBTはIGFA(International Game Fish Association)ルールに基づく国際的なトーナメント。タグ&リリースを推奨し、釣り上げたカジキをできる限り再放流することで、サステナブルなフィッシング文化を目指している。また、フェアプレイと魚類保護の精神を持つことが求められ、参加チームは以下の条件を満たすことが義務付けられている。まず、チーム全員がJGFA(日本ゲームフィッシュ協会)会員であること。さらに、オーナーボートの場合は、BOL(ボートオーナー連絡会)所属であり、船舶保険や無線設備、船舶電話など法定備品の装備はもちろん、小型船舶操縦士1級、海上特殊無線技士3級以上の資格保持者が乗船しなければならない。そして、JIBT独自のオーナーボート参加資格として、初参加チームはチャーターボート枠から始めることが義務付けられている。これは、JIBTのマナーや海域を知り、大会を理解してからでなければマイボートで参加することができない規定であり、地元還元の一助でもある。このような参加基準が、安全意識の高い品格ある大会を支えているのだ。

7月24日(木)から27日(日)の4日間に開催されたJIBT2025。その内、海上に出船して戦うのは25日から27日の3日間。下田市魚市場で開催される恒例の前夜祭も盛大に行われ、参加チーム123チーム、選手総数約650名の、3日間におよぶ熱き戦いの火蓋が落とされたのだ。

DAY1


ビッグゲームの祭典JIBTの初日。夏空が広がり、海面水温も28°Cを超えるコンディション。下田港沖には100艇以上のボートが集まり、スタートフィッシングのコールとともに、一斉に走り出す。2025年の黒潮は、数年続いた大蛇行が収まり、その流れの中心は下田沖から離れて東進。例年、カジキを呼び込む潮流が各所に差し込むものだが、今年はその兆しがはっきりとは見られない。近年稀に見る厳しさを呈していた。そんな中、各艇はそれぞれの信じるポイントでルアーを流し始める。海の穏やかさとともに、沈黙を続ける無線。静寂を破ったのは、午前9時32分。〈GODMAKE〉から、今大会初のヒットコールが入る。約1時間に及ぶファイトの末、見事106.4kgのクロカジキをキャッチ。これが今大会のファーストマーリンとなった。その後もヒットコールは散発的。1時間に3~4回という低調なペース。最終的なストライクコールは15回と、近年で最も難しい初日となった。それでも、技と経験に裏打ちされた名手たちの健闘は随所で光る。10時台には〈TOALINE〉がマカジキをタグ&リリース、11時台には愛晃丸&卓丸の連合チーム〈卓丸〉がクロカジキのタグ&リリースを成功。13時台には〈韋駄天〉もクロカジキをタグ&リリース。そして、14時台には〈ふじこうまる〉が125.6kgのクロカジキをキャッチする。しかし、この日最大の見せ場は夕刻に訪れた。16時台、〈teamSKB〉が、30ポンドラインクラスでクロカジキとファイト。3時間40分にも及ぶロングファイトを経て、127.8kgの大物をキャッチする。この一本で「最大魚賞」を獲得し、タグ&リリースを含む計305.6ポイントを積み上げ、暫定首位に立った。

大会はこの先も好天が続く見込み。しかし、潮の入りは依然として読めず、例年以上にタフな状況。フィールドは静かだが、ポイント争奪戦はすでに熱を帯び始めている。勝負を分けるのは、経験か、戦略か、それとも直感か。猛者たちの「真夏の攻防」は、始まったばかりだ。