
APREAMARE GOZZO 38CABIN
美しい断崖が続く海岸線、色鮮やかな建物、レモンに覆われた斜面……別荘地ソレントや世界遺産のアマルフィ海岸で知られるソレント半島。ローマ帝国皇帝にも愛された美しい半島に接するナポリ湾の南東部にあるボートビルダー「APREAMARE(アプレアマーレ)」。アンベールされたばかりのキャビンクーペ「Gozzo38Cabin」を紹介。伝統とモダンが融合したGozzoレンジが世界を魅了する。

快適なキャビンを得て新たな魅力を増したゴッツォ・ソレンティーノ「Gozzo38Cabin」リラックスとコンフォートに包まれ、ロングクルーズもこなすイタリアン4シーズンボート
伝統的なゴッツォ・ソレンティーノのスパイスを取り入れながら、唯一無二のモダンデザインを完成させ、EuropeanPowerboatoftheYear2018を受賞したGozzo35。続いて2022年、Gozzo35をサイズアップするだけでなく、より洗練させたGozzo45を発表。そして、2024年9月に開催されたカンヌヨッティングフェスティバルにおいてワールドプレミアが発表されたばかりのGozzoシリーズ最新モデルが、「Gozzo38Cabin(ゴッツォ38キャビン)」。クラシカルでスタイリッシュ、そしてエレガントなGozzoシリーズ初の全天候型クーペモデルの登場だ。
Gozzo38Cabinのスタイリングは、Gozzo35やGozzo45と同じ、CataldoApreaとMarcoCasali、エンジニアのUmbertoTagliaviniがデザインしたもの。Gozzo35と比較し、デッキ上のスペースを保護するキャビンはもちろん、ロアデッキのナイトスペースを拡大させた大胆な設計。Gozzo38Cabinはあらゆる季節とほぼすべての海況での使用を可能にした。つまり、長距離クルージングや長期ステイにも最適なGozzo。ウィークエンダーをサロンクルーザーに変えたのだ。
新しいGozzo38Cabinは、Gozzo35と同じ船体を共有している。見た目こそGozzo35にキャビンを載せ、スイムプラットフォームを延長したように見えるが、デッキのデザインは、全く違うボートと言っていいほど設計から練り直され、ゼロベースで作り上げられている。クラシカルなゴッツォ・ソレンティーノのデザインを損ねる事なく、スペースを最大化した難しい設計。それを成功させたキャビンモデルが、Gozzo38Cabinなのだ。
まず、250mm長く大型化したスイムプラットフォーム。スイムプラットフォームに隠されたボトムデザインは、高速のプレーニングボートに見られるものと同じ。トランサムはフラットで、VOLVOPENTAD4-270のツインエンジンにスタンドライブの組み合わせが標準。このパワートレインはGozzo35と同じ。フジツボなど海洋生物の付着が多い日本の場合、陸上保管をお勧めする。海上係留を希望する場合は、シャフトドライブを選び、防汚塗料を塗ることになる。シャフトドライブの設定では、Gozzo35はスタンドライブと同じD4-270だが、Gozzo38Cabinは、D4-320とハイパワーエンジンが設定されている。これは、排水量が7トンから8トンに増えたことに起因する。1トンの差分、パワーが必要なのだ。メーカーのデータだが、同じD4-270のトップスピードを比較するとわかる。Gozzo35は32ノット、Gozzo38Cabinは30ノットと発表されている。ちなみに、Gozzo35のD4-270を搭載したシャフトドライブのトップスピードは29ノットと記録されている。

スターボードサイドのトランサムゲートからデッキに上がる。Gozzo35では、1段上がるだけ。その高さのままチークデッキがコクピットからバウデッキまでフルフラットに続く。だが、Gozzo38Cabinのアフトデッキは、アフトデッキに入り、さらにもう1段上がる。アフトデッキ全体のデッキが高く上げられているのだ。デッキ全体を上げるという大胆な発想で、サンベッドの高さを利用せずともフラットなアフトデッキの下にエンジンが収まり、アフトデッキのデザインがすっきりとする。アフトデッキから続くキャビンフロアも高く上げられているので、当然ロアデッキも広くなる。また、電動でアフトデッキ全体が横方向に大きく開く。メンテナンス性にも妥協はない。
アフトデッキには、トランサムに沿って非対称のL字ソファ。4人が座る事ができるソファの座面は、フロアが上がったことでブルワークの高さに近い。バックレストを高くし、安全性を確保するデザインが採用されている。テーブルは、電動でチークデッキの一部がテーブルトップとして昇降。折りたたまれていたテーブルトップを開くとワイドなセンターテーブルに変わり、オーニングをセットすれば、快適なテラスダイニングが出来上がる。
キャビン後部のリアドアは4分割の折れ戸式。左右2枚ずつに開くことで、キャビンが大きく開放される。キャビン内のポートサイドにはL字ソファと折りたたみのテーブルが備わるダイネッティ。スターボードサイド後部には、シンクやコンロ、リフリジェレーターが搭載されたミニギャレー。ギャレー前方にはヘルムシートと美しく配列されたヘルムステーション。コクピットも機能的でありながらインテリアを損ねないようにデザインされている。
ヘルムは固定されたベンチシート。ワイドなGARMINのディスプレイが2台並ぶグラスコクピット。フロントウィンドシールドは、ワンピースのワイ
ドなもの。左右のサイドウィンドウにもピラーは入らず、グラスの一部にスライドガラスがはめ込まれたオープンウィンドウ。ヘルムシートから直接目視することもできるし、サイドデッキやバウデッキとのコミュニケーションを図ることができる。最小のピラーにより360度、視認性が高く明るいキャビンもオープンボートマインドだ。
Gozzo35とは逆のポートサイドにオフセットされたコンパニオンハッチからロアデッキに降りる。キャビンエリアは、天井が高くフルスタンディングの空間。バウキャビンはドアで仕切られたマスターステートルーム。中央にはアイランドベッド、両サイドにハンギングロッカーが備わる。ゲストキャビンはコンパニオンウェイステップの後ろのミッドシップ。トイレはスターボードサイドにあり、独立したシャワーコンパートメント。ヘッドコンパートメントもGozzo35とは異なる、フルスタンディングのヘッドコンパートメントが確保され、快適に滞在する
事ができる。
ロアキャビンの広さの理由は、サイドデッキにある。キャビン左右のサイドデッキは、アフトデッキよりさらに1段高くなり、バウデッキまで続いている。同じハルを使うGozzo35に比べ、デッキを基準にすると低いブルワーク。それが、バウのパルピットからサイドデッキ後方まで延びるグラブレールが備わる理由。だが、それが、ロアデッキを別次元の広さにし、快適な空間に変えた理由でもあるのだ。
そして、サイドデッキを通りバウデッキへ。バウデッキ中央には、コーチルーフ全体を覆う広いサンベッドに前向きのベンチシート。フォアピークデッキエリアはワイドで想像以上に広いスペースが確保され、アンカー作業もしやすい。
ティレニア海が似合うゴッツォ・ソレンティーノ。オープンデザインばかりが際立つGozzoレンジだが、このGozzo38Cabinは、気温、気象を問わないクローズドキャビンモデル。地中海だけでなく、北欧や北米の寒冷地にも適したモデルとして待ち望まれていたスタイル。それは、天候が変わりやすくフィッシングボートとしてウォークアラウンドのニーズが高い日本にも最適なキャビンモデルとも言える。Gozzo38Cabinは、今最も注目され、多くの可能性を秘めているモデルなのだ。P.B.


