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“solasio “STYLE#06「沖縄のリゾートvilla」リノベーション

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text:PerfectBOAT Magazine photo:MakotoYamada
specialthanks:solasio https://solasio.co.jp

沖縄原産の素材を可能な限り使用したリノベーションリゾートvilla素材にこだわり、過ごし方にこだわり、沖縄を肌で感じ取ることのできる癒しの空間

以前にも何度も取材をしている湘南を拠点に活動している「solasio(ソラシオ)」がリノベーションをしたリゾートvillaを取材した。solasioは住宅・店舗・宿泊施設などさまざまな建物の新築、リノベーション等の、デザイン、設計、施工などを全国的に手掛けているブランドだ。solasioは自分たちの仕事を「仕立て屋」という。建築の世界で「仕立て屋」という言葉はsolasio以外では聞いた事がない。そこで今回の仕立て屋の仕事を詳しく掘り下げてみよう。

沖縄県大宜味村は世界自然遺産に認定されている。そんな大宜味村に30年程前に廃業したリゾート施設の跡地がある。その施設をリノベーションしてレストランやHOTELを再生して注目を集めている場所がある。

今回solasioが手掛けたリノベーション物件はそのリゾート施設の中にあるvilla。沖縄のリゾートvillaと言えば海が目の前の物が多い。しかしこ「HOTEL TinOceansuitevilla」はやんばるの森の中にあり、沖縄では珍しく沖縄八景の塩屋湾を一望できる高台にある。やんばるの森の空気、そしてこの高台からの景色は見る物を魅了する素晴らしい場所である。

肌から沖縄を感じる沖縄の素材に拘ったリノベーション

今回のリノベーションでは建築素材に沖縄原産の物を可能な限り使用している。沖縄に限らず宿泊施設では無垢の木や漆喰等の自然素材を使う事は少ない。その理由としては無垢の木や漆喰を使うと建築費が上がる事や、メンテナンスの為にホテルスタッフの仕事が増える為である。しかしこのvillaでは世界自然遺産のやんばるの森の中では自然素材の中でリラックスした時間を過ごしてもらいたいという想いから無垢の木や漆喰等を使用している。

それでは具体的にどのような素材を使用しているのかを掘り下げていこう。solasioは木に対する想いが強い。カウンターやベンチ等に使われている沖縄原産の「琉球松・センダン・相思樹」は沖縄本島の製材所などを巡り自らの目で厳選した一枚板や丸太になる。特に相思樹という木はその魅力的な名前にも惹かれるが今ではあまり使用される事が少ない貴重な木になる。このような沖縄県原産の貴重な無垢の木を使用して仕立てられたvillaはなかなかお目にかかれないのでとても貴重な存在になる。ぜひ手に触れて肌で沖縄のぬくもりや空気を感じてほしい。

そして沖縄は想像以上に湿気が多い。室内の壁にはその湿気対策に沖縄の珊瑚からできている漆喰を塗っている。そしてこの漆喰は調湿効果だけでなく、消臭効果もある。さらに漆喰の効果としてあまり知られていない事だが、solasioが一番伝えたい効果は光の反射を柔らかくしてくれる事、そして声や音を吸収して反響を抑える事である。光の柔らかさ、声や音を包み込む感じがこの居心地の良さをつくっている。これはその空間にいないとわからない感覚的な事だが取材中にとても強く感じた事である。

また沖縄に行くとさまざまな場所に琉球石灰岩が使われているのを見かける。その沖縄原産の琉球石灰岩を室内・屋外の床や壁にふんだんに使用している。琉球石灰岩は素足で歩いても気持ちよく、靴のまま歩いても問題のない素材。このvillaでの過ごし方として中と外を曖昧に過ごす事をおすすめしているので琉球石灰岩は最高の素材になる。琉球石灰岩は珊瑚や貝殻などが堆積して出来上がっている物になる。そこには数万年以上の長い沖縄の歴史が刻まれている。珊瑚や貝殻の化石が模様として刻まれているので琉球石灰岩をよく見た事がある人はその魅力に惹かれる事だろう。いつもは何気なく見過ごしている物だが、のんびりと過ごす時間の中では一枚一枚刻まれた沖縄の歴史を感じ取ってほしい。

そしてすべての窓にはカーテンではなくウッドブラインドが仕立てられている。大きな窓には縦型のブラインドを使用。この縦型のウッドブラインドは角度を少し変えると沖縄の強い陽の光が放射線状に伸び、床の琉球石灰岩に映し出されるアートな世界観を演出している。

そしてこのvillaには専用のプールがある。このプールは海とつながり、また空ともつながるインフィニティプールだ。温暖な沖縄では実は温水プールは意外と少ないが、このvillaでは温水プールを採用しているので季節問わずに一年中楽しめるプールになっている。夜には水中ライトで照らされた温水プールに入り、満天の星空を眺めながら過ごすことができるのも周りに明かりが少ないやんばるの森ならではの楽しみ方だ。

また、室内の小上りスペースには琉球畳を敷いている。琉球畳は沖縄特有の畳で一般的な畳より少し荒々しい肌触りになる。その荒々しさがお昼寝には最高の寝心地である事は確認済だ。そしてこの小上りは室内側からもプール側からもちょうどいい高さの腰掛けとして設計されている。この仕立ても自然に外と中を曖昧に過ごす事につながっていく。

また沖縄のリゾートと言えばジャグジーを連想する人も多いだろう。一般的にジャグジーといえばプールサイドやテラス等の屋外にある事が多い。しかしこのvillaでは大胆にもジャグジーを室内のベッドサイドにつくっている。そしてジャグジーに入りながら漆喰の壁に映し出される映画を見る事もできる。この仕立ても斬新でなかなか味わえない空間になっている。天候にも左右されずにジャグジーに入り、映画を見てのんびりと過ごす。最高の癒しではないだろうか。

天候に左右されず最高の癒しを得れる最高の空間

このvillaは沖縄の素材にこだわり、過ごし方にこだわり、沖縄を肌で感じ取ってほしいという想いからつくられたvillaである。沖縄に行く理由としてはアクティブに過ごしたい時もある、また現代社会からの情報をシャットダウンして、本来の自分にリセットする時間を過ごしたい時もあるだろう。このvillaでは、やんばるの空気・景色を感じながらリラックスした時間を過ごす事で最高の癒しのリセット時間になる事は間違いない。

そこで過ごす人の体の健康を考えて沖縄原産の自然素材を使い、動線だけでなく光の反射、声の反響まで考えて真にリラックスできる空間での過ごし方を提案する事が「仕立て屋solasio」の仕事になる。読者のなかにはHOTELやvilla等を経営している、または今後新しくスタートしようとしている人もいる事だろう。見た目のカッコよさという事だけでなく、その土地ならではの素材や特性も考慮し、空気感までを含めての特別な癒しの時間を提供する空間を考えてみる事をおすすめしたい。

またsolasioではプール単体での提案もしているので施設の大型プールだけでなく、自宅や別荘等のプライベートプールのみの相談も可能だ。そのような計画をお持ちの方は一度「仕立て屋solasio」に相談してみてはいかがだろう。きっと極上の癒しの空間を仕立て屋ならではの視点で提案される事になるだろう。P.B.

■solasioソラシオ https://solasio.co.jp