1. HOME
  2. BOAT&YACHT
  3. SESSA Fly 42
BOAT&YACHT

SESSA Fly 42

BOAT&YACHT

60年以上の歴史を誇る、イタリアを代表するメジャービルダー「SESSA」洗練されたデザインとサロン、優れたマニューバビリティで、未だ知らぬイタリアの風を届ける

text: Yoshinari Furuya 
photo: Makoto Yamada
special thanks: SEABREEZE BOAT SERVICE
https://www.seabreeze.co.jp

「SESSA MARINE(セッサ)」のボートを日本国内で初めて見たのは、2013年2月に開催されたジャパン・インターナショナル・ボートショー。海上に展示されたF40に、多くの人が歩みを止め、見学していたのを思い出す。その後、日本に上陸したSESSAは少なく、日本での認知度はまだ低い。

SESSAのコンセプトは、ダイナミズムとイノベーション、デザインとテクノロジー、スタイルとクオリティ。ラインナップは、13モデルの「SESSA MARINEYACHTS」と、7モデルの「KEY LARGO(キーラルゴ)」。イタリアの他、北米にも販売拠点を設け、世界的に勢力を拡大している。そのSESSA MARINEが、日本で新しいインポーター「FANO TECH(ファノテック)」と出会い、再上陸を果たした。

SESSA MARINEは、60年以上の歴史を持つ伝統あるボートビルダー。フェノールパワーベースのシステムとポリエステル樹脂に関してイタリアで最も優れたエンジニアの一人Camillo Bragaにより、1958年に設立された。1968年にはジェノバボートショーに出展。南イタリアから北イタリアに工場を移し、小型ボートの生産を拡大すると、1986年には、RIVAやFERETTIなど一流ビルダーのヨットを建造していたFYBERSTAMPを買収し、生産拠点をLesmoに集約。その2年後には、ミラノからおよそ60km東にあるベルガモ県Cividate Al Pianoに造船所を移し、1980年代のSESSA MARINEを象徴するモデルMambo、Samba、Sunshineから、新しいコレクションKey largo、Oyster、Key Westに移行。それまでとは違う規模とラインナップで成長を続けている。

2006年にはフロリダに進出し、2008年にはSESSA MARINE初となる排水量20トンを超えるフラッグシップC68を発表。このC68は、フランスのアワードで「Best Boat Design」を受賞。続いて、2009年にはKEYLARGO36がMotorBoatingUSA誌のマリンジャーナリストが選ぶ権威あるアワードで「Best of the year」を受賞。ヨーロッパだけでなく北米でも広く知られるようになった。SESSAブランドは、日本での認知度からは想像できないほど、メジャービルダーとして世界に浸透しているのだ。

そして2016年、Flybridge ineの最小モデルF42がワールドプレミアを果たし、クーペタイプのYacht LineにもC42が加えられた。SESSA F42は、一言でいうとイタリアンクルージングボート。ベースデザインは、イタリアを代表するインダストリアルデザイナーChristian Grande。ボートデザインでは、INVICTUSのGTシリーズや、CRANCHIのSettantotto、Lanciadi Lanciaなどカッティングエッジなスポーツボートをデザインし、他にもメガヨットからRIBボートまで幅広く手がける。中でもSESSAF42は、SESSAのFlybridge Lineの中で最も小さく、最も人気の高いモデル。そのF42の基本デザインを残したまま、Centrostile Designがリスタイリングをし、ブラッシュアップしたモデルが、今回紹介するNEWSESSA F42だ。

日本に初輸入された最新のSESSA F42は、エアブルーメタリックに輝くハルカラーが印象的。旧モデルから大きく変わった複雑な造形のサイドウィンドウがアバンギャルド。このエアブルーメタリック以外には、ゴールドメタリック、シルバーメタリック、ブラックメタリック、シンプルなホワイトカラーの5色から選ぶことができる。

ワイドなスイミングステップから乗船する。クラス最大級のスイミングステップは、このクラスでは搭載しているボートは少ない昇降式。親水性の高いスイミングステップは、テンダーを搭載し、海面に上げ下げすることもできる便利な設備。そして、スイミングステップの上まで飛び出したトランサムのハッチを開けると、シンクと、TECHIMPEXのBBQグリルが現れる。トレンドのトランサムギャレーは、匂いや油がキャビンに入り込まない人気のエクステリア。水洗いができるので、汚れても清掃しやすいメリットもある。

スイミングステップからポートサイドのトランサムドアを開けアフトデッキに入る。トランサムドアの横には、シャワーが収納されている。アフトデッキには4人が座ることができるL字のソファ。1,440mm×850mmのチークトップの大型テーブルは、折りたためば2分の1のサイズになり、走行時に便利なハンドレールとカップホルダーが現れる。

サイドデッキを通りバウデッキへ。バウデッキは日光浴を楽しむサンタンエリア。パッドはリクライニングし、左右にはカップホルダーも備わりFUSIONのスピーカーから音楽を流すことができる。

アフトデッキから7段のチークステップを伝いフライブリッジに上がる。42フィートとは思えない広大なフライブリッジ。船尾側は、ビームを幅いっぱいに使ったU字ソファ。7人同時に座ることができるゆとりあるラウンジ。花火クルーズにはベストなレイアウトだ。ラウンジソファには1,400mm×600mmの大型テーブルが固定されている。アフトテーブルと同じように半分にたたむことができ、ハンドレールとカップホルダーが現れる。ポートサイドの最前部はサンパッドが敷かれたパッセンジャーシート。その横、スターボードサイドには2人掛けのベンチシートとコンパクトなコンソール。ステアリングホイールやシフトレバー、電装品のスイッチの他、ジョイスティックやバウスラスター、GPSなど、クルージングに必要なものが配置されている。

アフトデッキに面したキャビン、3枚のスライドドアをポートサイドに重ね、サロン入口を大きく開放する。スターボードサイドには3人掛けのL字ソファ。アフトデッキのL字ソファと連続したソファは、大勢で囲うように座ることができる。ポートサイドには、ポップアップのTVが上下するキャビネット。基本カラーのベージュとオフホワイトの組み合わせにブラウンのアクセント。明るく落ち着きあるインテリアに包まれる。

スターボードサイド前方にはベンチシートとヘルムステーション。前寄りのライズドコクピットは、フロアを高くすることで、ロアキャビンにあるVIPキャビンの天井高を確保している。ヘルムシートのアイポイントは座ったままでも高く、前方の視認性は良好だ。

メインサロンから3段下がったロアキャビンに設置されたダウンギャレー。メタリックなカウンタートップ。シンクの他に、CERANのグラストップコンロとMIELEの電子レンジ。VITRIFRIGOの2ドア冷凍冷蔵庫が、周りの壁と同じ扉で隠された中にビルトイン。実用性が重視されがちなギャレーもインテリアの一部としてデザインされている。

ギャレーの反対、スターボードサイドには2つのドア。船尾側はVIPキャビン。セミシングルのベッドが2つ並ぶツインルーム。繋げてダブルベッドにすることもできる。船首側は、VIP用を兼ねたデイヘッド。洗面台の他、シャワー兼用のトイレが備わる。そして、バウキャビンは、マスターステートルーム。ダブルサイズのアイランドベッドが中央に配置され、左右には、ハンギングロッカーと5段のキャビネット。それ以外には、ベッドの下に大容量の収納スペース。ベッドはダンパーがアシストしているので、女性でも開閉することができる。クルージング時に持ち込む大量の荷物を収納することができる。

視界の良いフライブリッジのヘルムシートに着座し操船。ジョイスティックを操作し、真横に桟橋を離れる。パワートレインは、VOLVOPENTAIPS500。エンジンは6気筒380馬力のコモンレールディーゼル。ドライブレッグは、コンパクトなIPS10。効率の良いIPSにより、500馬力相当のパワーとスピードを実現する。

ジョイスティックからスロットルレバーに切り替えシングルレバーで加速する。1,000回転で6.4ノット、1,500回転で8.8ノット、2,000回転で11.8ノット。驚くのは、エンジン音の静かさ。回転を上げても排気音が唸ることはない。振動もフライブリッジではほとんど感じない。2,500回転で18.5ノット、3,000回転で25.9ノット。トップスピードは3,240回転で29.9ノット。クルージングスピードは25ノット弱。長さの割に大きなキャビンではあるが、カーボンなど複合素材を使い軽量化することで、重心を下げトップヘビーにならないようにしている。実際に乗ると、フライブリッジ艇にしては、停泊時や低速走行時でもローリングは少ない。横揺れしてもすぐに大きな揺れが収まり、横波の中でも安定した旋回をする。剛性も高く、波の中での衝撃もソフトに受け止め、きしみ音も少ない。42フィートクラスのサロンクルーザーとしては、十分なマニューバビリティを見せてくれた。

SESSA F42は、イタリアンスタイルの洗練されたデザインがキャラクター。加えて、VOLVO PENTA IPSが生み出した広く快適なアコモデーションもF42のアドバンテージ。また、居住性だけでなく、マニューバビリティや静寂性、低燃費もクルージングボートのメリットだ。そして、42フィートという寄港地を選ばないコンパクトサイズとIPSのイージードライブは、ショートハンドでのロングクルーズを可能にする。つまり、SESSA F42があれば、家族や友人とともに人ごみを避け、海水浴やロングクルーズに簡単に出かけることができるということ。今だからこそ、注目すべきイタリアンクルージングボートなのだ。P.B.

SESSA Fly 42
全長 13.10m
全幅 3.90m
喫水 0.82m
重量 10.70ton
エンジン 2 × VOLVO PENTA D6 IPS500 
最高出力 2× 380HP
燃料タンク 980L
清水タンク 350L
問い合わせ先 ファノテック(正規輸入元) TEL: 03-5545-5045
https://www.fanotech.info
シーブリーズボートサービス(正規販売元) TEL: 045-771-1000 https://www.seabreeze.co.jp