SANLORENZO SL90Asymmetric
text: Kenji Yamazaki photo: SANLORENZO
special thanks: SANLORENZO JAPAN https://www.sanlorenzoyacht.com/uk/index.asp
ZucconInternationalProjectが生み出す芸術的な左右非対称Asymmetricデザインビスポークの気品に満ちた、一級小型船舶免許で操船できる24mルール適応モデル
今年のCannesYachtingFestivalではHôtelMajesticBarrièreでのウェルカムランチに続き、日暮れるとマジェスティックのプライベートビーチのオープンレストランBarrièreBeachTheMajesticCannesにてプレスカンファレンスに続いてガラディナー。世界中からの顧客、ディーラー、メディア代表の懇親パーティ。Cannesデビュー艇カタマランのBGM75とSXシリーズのフラッグシップSX100が、ビーチ脇ポンツーンまで接近し、生演奏に合わせて舞い踊る洗練された演出。夜更けまでビーチサイドガラパーティは続く。
快晴の空の元、フローティング展示会場はもちろんVieuxPortのセンターポジション。SP110、SD96、SX88、SL106A、SL78、SD90、SX76、SL90A、SL86にグループブランドのBGM75などがフローティングラウンジに舫われる。中でも日本国内向けのイメージリーダーは2021年カンヌデビューのSL90A。Aの意味するAsymmetric。SL102Aから採用されたメインデッキの左右非対称のデザインとレイアウト配置が実践されている。メインデッキ右舷のキャットウェイ通路は残し、左舷は、フライブリッジ左舷に通路が配される。メインデッキのサロンは左舷のビームいっぱいに広がり、ゆったりとした空間が生まれている。約10m²のスペースが確保された。プレーニングモデルSLレンジ6艇の中でSL78、SL86を除く、SL90A、SL96A、SL106A、SL120AとAsymmetricレンジは拡大している。芸術的なエクステリアとインテアBernardZuccon(ベルナルド・ズコン)率いるZucconInternationalProject。
乗船する。アフトデッキの左にはアッパーデッキの左舷通路へのウッドラダーがある。このラダー、サロンに入るとガラスに覆われスケルトンのアートのようだ。右舷にゆったりと広がるミノッティのL字ソファ、左舷にはポルトローナフラウのダイニングテーブル&ソファ、このレイアウト、Asymmetricの効果だ。サイドウィンドウはフロアまでの広大さ。左舷ウィンドウの外のガンネルは一部フロアサイドまで下げることが可能、キャットウェイ通路の無いおかげで、サロンからの視界には海との一体感が広がる。
サロン前方に位置する劇場サイズのTVモニターは、格子組ウッドのスライドパネルで隠すと、また異なった空間が現れる。90フィートとは思えない設えだ。フロアは淡いチーク、前方に進むと右手にロアデッキへのラウンドラダーが現れる。そのままバウ側に進むと頭上に空間が広がる。右舷サイドにはフルサイズのギャレーコンパートメントが用意され、頭上空間の右にヘルムステーションがある。
さらにその先にマスターキャビン、エレガントな装飾のオーナーズスイートステートが広がる。このマスターキャビンのありようは、また画期的だ。開放的なオーナーズキャビンの先、2ステップダウンでバス&パウダールーム、美しい大理石のバスルーム。その先バウに、2ステップダウンで広々としたウォークインクローゼットスペースがある。このキャビンからバウデッキのラウンジへのアクセスも可能だ。ウォールひとつにもこだわりがある。チーク素材から、まるで和紙を思わせる仕掛けの設えに象徴されるすばらしさ。白い石膏の壁など全てが新しい解釈のもとに仕立てあげられている。『細部が完璧を作り完璧は細部ではない(レオナルド・ダビンチ)。』ロアデッキにはそれぞれにバス&パウダールームを持つVIPキャビン、2か所のゲストキャビンが用意される。もちろんアートフルでエレガントな設えだ。バウにはキャプテンキャビン、クルーキャビンのクルースペースが潜んでいる。
メインヘルムは、フライブリッジの先端中央から4ステップダウンした位置にパイロットハウスとして存在する。中央のコンソールには4面の大型モニターを中心に最新の装備が並ぶ。ウッドグリップのステアリング、1脚のキャプテンチェアのみでヘルムが形成されている。左舷には空間が広がり、眼下にメインデッキの通路が見下ろせる。ストイックなヘルムだがメインデッキとの空間のつながりが安心感の象徴のようだ。
フライブリッジは左舷前方にヘルムステーション、サンベッドにラウンジソファ、ワイン&フードサービスカウンター、極上のエンターテインメントゾーンが広がる。
Asymmetric、変革のエネルギー、伝統の融合。インテリアには元BMWのチーフデザイナーChrisBangle(クリス・バンゲル)の設えた90Aもあるようだ。好きなデザイナーにアレンジしてもらう心地よさは、個的な世界。ライフスタイルや遊びの考えを通して、インテリアやレイアウトを決めていく。一艇たりとも同じインテリアはない。まさしくビスポークの気品と落ち着きに満ちた”SANLORENZOWORLD”が創り上げられる。
SL90Asymmetric
全長27.60m
全幅6.50m
喫水 1.93 m
エンジン 2× MAN 12V
最高出力 2× 2,000 HP
燃料タンク 9,000 L
トップスピード 29 knots
※一級小型船舶免許で操船できる 24m ルール適応モデル
SANLORENZO JAPAN
TEL: 03-6712-5408
info@sanlorenzojapan.com
https://www.youtube.com/watch?v=FoEPYduckyg&t=12s