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BOAT&YACHT

CRANCHI SESSANTADUE 62

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155年の歴史、宝石のようなコモ湖生まれ、European Power boat of the Year 2025の栄誉デザイナーChristian Grandeが魅せるノーブルなエレガンスに包み込まれる

text: Kenji Yamazaki 
photo: CRANCHI YACHTS
special thanks: RIVIERA RESORT
https://www.riviera.co.jp/service/marina/

フラッグシップコレクションにふさわしいたたずまいを見せる「CRANCHI Sessantadue 62(クランキ・セッサンタドゥエ62)」。今年2025年1月のboot Düsseldorfデュッセルドルフボートショー、欧州のボート専門9誌の編集長らによって選ばれるEuropeanPowerboatAwardで、24m以内カテゴリーのEuropean Power boat of the Year 2025の栄誉に輝いた。

「CRANCH(Iクランキ)」で初の試みとなる垂直ステム、バーチカルバウ、アートディレクターChristian Grandeの主張でもある。エッジの効いたクリスタルなフォルムで佇んでいる姿を想像する。あでやかな外装色に目を奪われる。薄紫の「Grigio Aurora(=オーロラグレー)」と呼ばれる船体の先端的なメタリック塗装と、舷窓やサイドウィンドウのブラックが実にクールなインパクトを与えている。フライブリッジのTトップはカーボンコンポジット、バーチカルバウから流れるシャープな直線基調のフォルムは奇才Christian Grande。Settantotto78、Sessantasette 67で導入した新しいスタイリングを更に進化させた。モダンで上品なエレガンスが漂うそのフォルム、ハル設計のAldoCranchiをリーダーとするインハウスデザインCentro Studi Ricerche Cranchiとのリレーションだ。

見上げてみる。船体のこの煌びやかな塗装は、その刺激をポルシェのBEV車タイカンからインスパイアされたと。現代、今を表すカラーリングの妙に魅かれる。乗り込もう。スイミングプラットフォーム、その中央はシートイガレージ。WILLIAMS Turbojet 285とSEABOBを収納可能なテンダーガレージがある。左舷のステップを跳ね上げるとクルールームへのアプローチが現れる。

右舷ウッドステップからアフトコクピットへ。両舷ブルワークにガンネルドアが用意される。離接岸時の安心設備だ。サードヘルムも潜んでいる。ふと気付く、フライブリッジのイーブスの内側のルーフ、チーク張りなのだ。スイミングプラットフォーム、コクピットのフロアももちろんチーク。チークテーブルとファブリックのラウンジソファ、クラシカルな趣のチークがアフトデッキを包み込む。

その流れはサロンに入るとまず展開するダイニングエリアのルーフまで広がり、ダイニングはチークに包まれる。右舷サイドにギャレー、パネルは細木にしたチークの3Dクラッディング材で構成されている。ルーフにはシンボリックな3個の丸いライト、中央に円卓のダイニングテーブル、6人分のチェアが取り囲む。

その先は優雅なラウンジゾーン。フロアは1段上がって絨毯に変わり、ルーフはラインライティング。左舷に緩やかに湾曲した明るい色のふくよかで柔らかなL字のソファ。エレガントな趣を漂わせるラウンジが広がる。右舷にはワインクーラー、カトラリーが潜むキャビネット。その先に対面するコーナーソファ、背後にTVモニターも潜んでいる。ヘルムとの境を飾るアートフルなパーティション、ルーミーなウィンドウ。フロントウィンドウは広大な1枚ガラス、採光の豊かさが作り出す空間に明るく爽やかでラグジュアリーが潜むエレガントな内装が心地よい。その設えのふとした意匠にChristian Grandeの研ぎ澄まされたアートフルな感性が漂うようだ。

サロン右舷前方にヘルムステーションがある。2脚のスポーティなキャプテンシートの右に右舷デッキへのパンタグラフドアが用意される。中央のシートの前に美しいウッドグリップのステアリングホイール。コンソールにはGARMINのマルチファンクションディスプレイが2面位置している。GARMINのパーキングシステム、ジョイスティックとサラウンドビューカメラで離接岸は容易。クルマのように視認化されたパーキングシステムが装備される。その前にバウスラスタースティック、手前にアクティブHUMPHREEトリム&スタビライザーのコントローラー、VOLVO PENTA D13‐IPS 1350(1,000hp)×2基のコントローラー、SEAKEEPERジャイロスタビライザー、オートクルーズ等最新の航海計器が並ぶ。HPウォーターメーカーが搭載されているのも嬉しい仕様だ。

ソフトなライティングに導かれながらコンパニオンウェイを降りて3ステートのロアデッキへ。まっすぐバウに向かうとVバースのVIPルームに。両舷の採光豊かな2面のシービューウィンドウ、柔らかくルーミーな空間がウォールのウッドとコクーンベッドを包み込む。専用のパウダールームも清廉そのもの。広々としたシーサイドビラの趣だ。バーチカルバウの恩恵は十分なスペースの確保にも繋がる。VIPルーム手前に同じ趣を漂わせるツインベッドのゲストルームがある。ミジップにはオーナーズスイートが待ち構えている。まるでコクーンのようにベッドを囲むヘッドボードとウォールの装飾ウッド、クラッディングの3Dウォールパネルがもたらす柔らかくムーディな空間が広がる。広々としたシービューウィンドウ、ウォークインクローゼット、ツインシンクにレインシャワーのパウダールーム。静かな時間が流れていくようだ。ロングレンジのクルージングに出かけたくなる。

フライブリッジへはアフトコクピット右舷サイドからウッドラダーで。一面のチークフロアにゆったりたっぷりのラウンジソファが左舷からセンター、さらに後方へ広がる。後方はサンベッドを兼ねる設えだ。コンパクトなシャワーもデッキ後端に潜んでいる。Tトップの拡張するサンシェード、ルーバー開閉式サンルーフ、中央のラウンジエリアにはダブルサイズのチークテーブルが用意される。その右舷にはBBQグリル、ウェットバー、シンク、冷蔵庫、さらにTVモニターまで潜むフルサイズのキャビネットが置かれている。

右舷前方には2脚のスケルトンなバケットシートにメインヘルム同様の航海計器の並ぶフルサイズのヘルムステーションが用意される。ヘルムに座るとバウに広がるオープンラウンジが見下ろせる。このバウラウンジはカーボンファイバー製ポールのビミニオーニングが広がり、その下にサンタンベッド、ラウンジソファ、フリーザーキャビネットが用意され、夜にはポップアップランタンが灯りをともす。どこを見てもあでやかでモダンな、「今、これなのだ」のたたずまいを見せる。ボートライフの近未来スタイルが見えるようだ。

Christian Grandeは語る。「多くの人にアピールするスタイルの要素を選択すること。デッキとフライブリッジの調和のとれたフォルム。直線的なデザインには、いくつかのディテールが主張します。心がけたのは、伝統とモダンの融合、心地よさ、細部へのこだわり。ハンドル、トリム、クッション、伝統に依拠するチーク材の見直し、グログラン生地の採用、現代的な色の選択。穏やかにロングタームでボートライフを楽しむための心地よい空間作りです。現代性と豪華さを見出すデザインを生かすことなのです」とメッセージする。

そのパフォーマンス資料を検証してみる。全長20.23m、全幅5.16m、ドラフト1.60m。搭載ユニットVOLVOPENTA D13-IPS1350(1,000hp)×2基。1,900rpmクルージング速度19ノット、燃料消費量233L/h、レンジ216nm。2,350rpmトップスピード29ノット、388L/h、197nm。SEAKEEPERジャイロスタビライザー搭載。

CRANCHIの歴史は古く、誕生のその地も歴史の趣を持つ。その創立はまだ自動車も生まれていない1870年のこと。155年もの歴史を誇るビルダーだ。美神の王国イタリア、その美とモードの中心ミラノの北、湖水地方の中でも宝石のような湖と呼ばれるコモ湖の中部にCRANCHI生誕の地がある、Bellagioだ。貴族たちに愛されたこの地は、現在でも世界のセレブリティやディレッタントがビラを構える究極のリゾート地。Giovanni Cranchiの創設以来5世代に亘ってボート造りにいそしんできた「Cantiere Nautico CRANCHI」は、2000年にはコモ湖北東部のPiantedoにファクトリーを、ヴェネチア東部のアドリア海Nogaroにテストセンターを設立し発展を続けている。日本ではリビエラ逗子マリーナとリビエラシーボニアマリーナを運営する「リビエラリゾート」が2015年にインポートを開始。誕生の地から受け継ぐノーブルさとエレガンスを漂わせるCRANCHI、その未来を見せるのは間違いなくこの、Christian Grandeの「Sessantadue 62」だ。P.B.

CRANCHI Sessantadue 62
全長 20.23m
全幅 5.16m
重量 38.00ton
エンジン 2 × VOLVO PENTA D13 IPS 1350
最高出力 2 × 1,000
燃料タンク 3,300L
清水タンク 700L
問い合わせ先 リビエラリゾート リビエラ逗子マリーナ  
TEL: 0467-23-2440
https://www.riviera.co.jp/service/ship-sales/