CRANCHI Sixty 6 Fly_1

CRANCHI Sixty 6 Fly_H1

CRANCHI Sixty 6 Fly

イタリアから新たなブランドのサロンクルーザーが日本の海にやってきた。アートとモードの美神の王国ミラノの北、貴族たちのリゾートとして今も色濃くその趣を残すコモ湖の北部ピアンテードで5世代にわたりボート造りに勤しんできたクランキ一族の「CRANCHI(クランキ)」、それも最大艇の「Sixty 6 FLY」だ。フライシリーズは40ftから5種、ヨットクラスは56ftから64ftの3種、HTクラスは38ftから58ftまで6種、スポーツラインが24ftから33ftまで8種、最新のエコトローラー53を入れて計23艇種を建造するフルラインナップビルダーだ。代表するその「66フライ」が身にまとうは最新のミラノモード、艶やかでクールな佇まいは多くのサロンクルーザーに新たな刺激を与えるに違いない。

CRANCHI Sixty 6 Fly_4 国内初登場のクランキ、それもモデル最大級の「66 フライ」が約束どおり湘南の海にやってきた。湿気を含んだ夏空の「リビエラ 逗子マリーナ」。テストセンターのあるイタリア・ベニスに近いサン・ジョルジョ・デイ・ノガーロのアドリア海とは海の色が違うが、逗子マリーナのリゾートの趣に更にエレガンスの涼風メディタレーニアンブリーズを吹き寄せている。
 エッジの効いた大胆なフォルムが刺激的だ。サンタアガタのモダン・ランボルギーニのシャープなライン取りにどこか近似するパッションを秘めた佇まい。異型菱形のハルサイド・シービューウィンドウの表現。斜めのキャラクターラインを含めてAピラーからCピラーまで半楕円の上弦のラインを含め、めいっぱいに取られたサロンのサイドウィンドウ。驚きは超大型フロントウィンドウだ。左右2枚にセンターピラーとウィンドウ下1/4にピラーを持つが、綺麗にフラッシュサーフェス化されている。Cピラー上部には「蟹」をモチーフにした「クランキ」のシンボルマークが煌いている。
 フライブリッジはアフトコックピットのルーフエンドまで伸び、シェルティドコックピットを演出している。フライブリッジセンターにはまるで蟹の爪を思わせるクランクし逆ぞりしたレーダーアーチを兼ねるルーフスポイラーを備えている。蟹マークがいたるところに打ち込まれ、ビルダーの誇りのメッセージと受け止める。

CRANCHI Sixty 6 Fly_2 外観からだけでも小気味良いデザインが大胆に施されアートフルな勢いに圧倒される。外観内装を含め、デザインはクランキのインハウス。デザイナー、エンジニア、モデリストを含めた30名のデザインスタッフが全体から細目まで決め込んでいる。大胆かつ繊細、社内デザインの成功例がここにはある。
 全容を見てみる。全長20.85m、全幅5.10mの船体に長さ2mはあろう極めて広大かつハイドロ稼動のスイミングプラットホームを持つ。まさにここから海遊びのイメージが膨らむ。
 両舷からコックピットに上がれるのだが、アフトに楽しい仕掛けがある。通常ならシートイのガレージになるところだが、ここにスモークドグラスのドアがある。開けてみるとその中には洒落た個室が隠れているのだ。シャワースペース、ギャレー、デスク、ベッド。クルールームいや、サードゲストルームとしても十分の質感と演出が嬉しい。
 コックピットにはサンベットに変化するソファにテーブル、サロンサイド左舷にこ洒落たウェットバーとBBQグリルに冷蔵庫が用意される。右舷にはフライブリッジへのウッドステップがある。
 サロンに入ると驚きの景観が現れる。極めてルーミーなモダンリビングのモデルルームにいる錯覚に陥るのだが、眼を見張るのがまるで中空にセットされたかのような左舷に用意されるヘルムステーションとその有り様だ。電動フルオートのシングルシートのヘルムはそこだけが異質のユニット、舞台。デザインされたコンソールには必要なものが的確に収められ小気味よい。

CRANCHI Sixty 6 Fly_3 航海計器と操船機器に囲われ、パイロットシートに座ると遥か先にフロントウィンドウがあり、SF映画の宇宙船のヘルムにいるようだ。3つのブーメランをスポークにした革巻ステリングホイールの粋さ。レイマリン E140 ハイブリッドタッチのGPS&レーダーモニター、フルオートのフラップはHUMPHREE、前後のスラスターは珍しい油圧制御のSIDEPOWER。ZFのコントローラーと共に安心安全を担保する計器が整然と並んでる。このヘルムに座るには大いなるプライドが必要とされるだろう。
 このヘルム左舷にキャットウォークへのパンタグラフドアがある。サロンは左舷にゆったりとしたソファ&テーブル、対面にワイングラスなどを潜めたキャビネットにAVユニット、製氷機などが用意され、前方にダイネッティがある。ギャレーはヘルム右から前方に下りると右舷に大型冷蔵庫を中心にフル装備される。
 ミジップにはシービューウィンドウを両舷に持つオーナーズステート。ビームいっぱいの広さはゆとりと落ち着きを醸し出している。前方にはVIPルームが左舷側にはツインベッドのゲストルームがそれぞれ専用のトイレ&シャワールームと共に用意されている。アフトの小部屋を入れて4ステートとなる。すべての部屋の設えはイタリアンモダンリビングの明るさと爽やかさに満ちている。………. (続きは雑誌で)

CRANCHI Sixty 6 Fly_9 CRANCHI Sixty 6 Fly_10 CRANCHI Sixty 6 Fly_8
CRANCHI Sixty 6 Fly_7 CRANCHI Sixty 6 Fly_5 CRANCHI Sixty 6 Fly_6

広々ゆったりのフライブリッジ。右舷前方にヘルムステーションがある。電動のパイロットシートはひとつ。その左と前方にはサンベッドが敷かれ、左舷側にL字ソファとテーブル、レーダーアーチ下にはBBQグリルにウェットバー、冷蔵庫などが用意されリラクゼーションスペースが演出される。後端にはサンベッド、フロアにはスモークドガラスが埋め込まれている。電動フルオートのシングルシートのヘルムはそこだけが異質の舞台。デザインされたコンソールには必要なものが的確に収められ小気味よい。モダンリビングの趣に満ちるサロンはデザインが心地良さを支えている。ダウンギャレーはドイツMieleの4バーナーや食器洗い機、大型冷蔵庫などフル装備。ロングクルーズのバックアップは完璧。


CRANCHI Sixty 6 Fly
全長 20.85 m
全幅 5.10 m
喫水 1.62 m
重量 33.5 ton
燃料タンク 3,600 L
清水タンク 770 L
エンジン 2× MAN D2862 V12
最高出力 2× 1,400 HP
スピード Max 33 kt
     Cruise 29 kt

■問い合わせ先
問い合わせ先 リビエラリゾート
TEL: 0467-24-1000
http://www.riviera-r.jp
text: Kenji Yamazaki
photo: Makoto Yamada
special thanks: RIVIERA RESORT ZUSHI MARINA
http://www.riviera-r.jp
[Perfect BOAT 2014年8月号掲載/]/※データは掲載時のものです]