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Greenline_l1_03greenline1 白き冠をかむった連なる頂を遠くにし、近くは深い緑を背景に、透き通る清廉な水の上に浮かぶ姿を思わず夢想する。
 それほど、ある意味自然と同化する清々とした存在感をこのフネから感じるのだ。3匹のグリーン、ブルー、濃紺のイルカが円を描くシンボルマークを持つ「Greenline 33」。バウデッキのサンベッドには子供たちが座り笑顔を見せる……そんなシーンを描いてしまう。
 どこかファンタジーの世界が似合うカタチ。ワイド&ローな、今までに類似のない造形。直立したステム、しっかり段差を持つチャイン。どこかヨットの趣のハル。デザインは「J&J Desine」、JEANNEAUやBENETEAUなどフランス製ヨットを多く手がけている。ウィンドウが多く、グリーンエリアの広いキャビンのルーフは後部にいくほどビームいっぱいに広がり、ピラーでガンネルと結合し、モダンの中にクラシカルな雰囲気を醸し出している。更にルーフはコックピットエンドまで伸びきり、サンシェイド効果のシェルティドコックピットを作り上げている。

greenline3 ウォークアラウンドのデッキ周りや、乗り降りに便利なコックピットサイドドア等、カスタマーコンシャスな仕掛けがいたるところにある。トランサムが開き解放的なアフトデッキに変身するオープンコックピットプラットフォームなどもその一例。楽しく細やかな工夫が施されている。
 サロンはすぐ右舷にギャレーが用意され、左舷には家庭にあるような大型冷蔵庫がドンと位置している。コックピットとの間のウィンドウを跳ね上げればサロンとコックピットは一体化し、広々としたエンターテイメントスペースとなり、オープンギャレーが楽しい威力を発揮する。サロン右舷に真っ白なL字型ソファ、対面する2人掛けソファがテーブルを挟んでいる。もちろんテーブルを沈めればベッドにも早変わりする。この床下にボルボ・コモンレールディーゼルD3、5気筒 2.4L-220ps 1基が収まっている。
 本来ならば空きスペースのバウ側にはリチウムイオンバッテリーが搭載されるはずだが、この試乗艇はハイブリッド仕様ではない。ハイブリッドにコンバートするのは可能ではある。それ故にルーフにもソーラーパネルは貼り付けられてはいない。ハイブリッド仕様なら、EV走行で4ノット 20nm、最高速5.5ノットの能力を発揮すると言う。1,398wのソーラーパネルは船内の電力と充電に寄与する。港内や無音で走行したいエリアにはありがたいEV能力だ。もちろんエミッションゼロ。次回はハイブリッドを体験するとしても、この興味深々のノーマル艇には惹かれるところ多しだ。

 サロン右舷前方にヘルムステーションがある。ソファのバウ側がワンタッチでヘルムシートに変身する。コンソールから水平に突き出したステアリングホイール。ボルボのスロットルレバーが右端に位置し、その左にバウとアフトのスラスターレバーがセットされている。GPSメインモニターはなんとiPadだ。その左下にラダー、水温、速度のマルチメーターがある。アナログメーターは回転計がスロットルの上に。ほか、水温、電圧等必要最小限の計器が並ぶ。3分割のフロントウィンドウにスライド機能を持つサイドウィンドウはヘルムからの見通しのよさを感じさせる。
 ヘルム脇からバウサイドへ降りると、右舷に清潔感溢れるトイレ&シャワールームがある。更にバウのステートルームはゆとりのロッカースペースを持つ癒しのナイトエリアを演出している。部屋の両サイドから前方をぐるりとスリットウィンドウが取り囲み、採光と視界の確保は万全だ。
 いざシートライアル。この日のコンデションはおよそこのフネには似合わないレッドフラッグコンディション。北風14m/s。横浜ベイサイドマリーナは赤旗。930rpm 4ノット。1,580rpm 6.2ノット。根岸沖は予想以上に波が立っている。真っ白だ。全長9.99m、全幅3.49m、あまり風の影響を受けてはいない気配を感じながら進む。2,000rpm 7.2ノット。チョッピーな波の連続に遭遇する。2,500rpm 8ノット、バウが上がりはじめる。回転を上げるにつれそれまでの細やかなローリングもどきが消えうせ、何のストレスもない走行に変化していった。(続きは雑誌で)

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SEAWAY Greenline 33
全長 9.99 m
全幅 3.49 m
喫水 0.70 m
重量 4.80 ton
燃料タンク 500 L
清水タンク 300 L
エンジン VOLVO PENTA D3-220
最高出力 220 hp

■問い合わせ先
オカザキヨット
TEL: 西宮 0798-32-0202
  横浜 045-770-0502
http://okazaki.yachts.co.jp

text: Kenji Yamazaki
photo: Masakatsu Sato
special thanks: OKAZAKI Yachts
http://okazaki.yachts.co.jp
[Perfect BOAT 2014年6月号掲載/]/※データは掲載時のものです]