
モンテゴベイのトロピカルアドベンチャーで満喫するカリブの休日

ターコイズブルーが映えるカリブの海に包まれるジャマイカの休日大人専用の高級リゾート「エクセレンス・オイスター・ベイ」でリラックスして過ごす
photo & text:Hidehiko Kuwata
ジャマイカ第2の都市モンテゴベイの空の玄関であるサングスター国際空港まで、日本からは2度のトランジットを経て約27時間前後である。直行便は就航していないので、今回はロサンゼルス、マイアミ経由での到着となった。この空港はモンテゴベイの街に隣接しており、海岸線に沿って西方向に進むとダウンタウンがあり、東方向に進むと今回の目的地であるジャマイカ有数のオールインクルーシブの5つ星リゾート「エクセレンス・オイスター・ベイ」がある。

サングスター国際空港から車で約35分の場所に位置するエクセレンス・オイスター・ベイは、カリブ海でも有名なルミナス・ラグーンに囲まれたプライベートな半島に建っており、全315室のスイートを擁している。そのうちの約半数がプライベートプール付きのスイートで、残りは全室カリブ海の眺望が楽しめるオーシャンビューである。そしてオーシャンフロントに並ぶ瀟洒なビーチハウスは、エクセレンス・オイスター・ベイ専用に開発された最新のラグジュアリーなコンセプトで設計され、ビーチに直結しターコイズブルーに輝く海までまさに数歩の距離にある。
さて前述の“オールインクルーシブ”というサービスだが、ご存知の通りこれは宿泊料金にリゾート内での食事・アルコール類も含む飲み物・アクティビティ等が含まれたシステムであり、これによって滞在中は金額を気にすることなく、レストランやバー、スパなどが利用できる。実はこのサービス、ジャマイカが発祥なのである。エクセレンス・オイスター・ベイでは、施設内にある8つのワールドクラスのレストラン、9つのバー、最新鋭のフィットネス施設、2つのビーチフロントプール、屋上プール付きラウンジなどが自由に利用できる。まさに贅を尽くした大人の理想的な隠れ家である。

エクセレンスのあるジャマイカのノースコーストには、カリブ海でオールインクルーシブのリゾートを運営するジャマイカ企業「サンダルス」をはじめ、ハイアット、ヒルトンホテル、ホリデイ・イン、RIUホテル、ロイヤルトン、イベロスターなどの名だたる国際的リゾートチェーンが並んでいる。来年のオープンにむけて「ハードロック・ホテル」の建設も進められている。モンテゴベイはジャマイカの観光産業の大部分を占めており、ジャマイカ経済において極めて重要な役割を果たしているのだ。


ノースコーストを西に進むとモンテゴベイのダウンタウンに入る。このエリアも免税店、クルーズラインのターミナル、いくつかのパブリックビーチや中規模リゾートを備えた人気の観光地となっており、混沌としたダウンタウンの庶民の生活エリアと、ゆったりと時間が流れるレトロなリゾートの雰囲気が奇妙なコントラストを生んでいる。1924年に最初のホテルが建設され、今日では豪華なホテルからスタンダードなゲストハウスまで、幅広い宿泊施設が揃っている。通称“ヒップ・ストリップ”と呼ばれるカラフルな装いのグロセスター通りには、スタンダードタイプのホテルが集中しているほか、ギフトショップ、レストラン、バーなどが建ち並んでいる。
モンテゴベイ滞在の最終日には、車で約100km南下して、美しいジャマイカのサウスコーストに位置する「トレジャービーチ」を訪ねてみた。

トレジャービーチとは、ビリーズベイ、フレンチマンズベイ、カラバッシュベイ、グレートベイの4つの入り江と集落に付けられた名称で、この地域は主要な観光地から隔絶されているエリアゆえに、穏やかで隠れ家のようなビーチでのひと時が楽しめるのだ。個性的な小規模ホテルやゲストハウスがいくつかあり、その代表格が「ザ・ジェイクス・ホテル」だ。
黒砂と白砂の海岸、岩の多い入り江、漁師の飛び地、プリミティブなビーチアクティビティの数々。トレジャービーチの海岸にたたずむザ・ジェイクス・ホテルからのカリブ海の眺めは、どこか荒々しくも心落ち着く絶景の連続である。トレジャービーチには、タイノ族インディアンが到着した西暦700年にまで遡る豊かな歴史がある。タイノ族は平和的な生活で知られ、ジャマイカにおける最初の居住者だった。彼らはまた、陶芸、彫刻、織物、船の建造、農業などに非常に長けていて、これらの伝統は何世紀にもわたって受け継がれ、今日でもジャマイカの一部の地域に残っている。
隣接する「ブレズ・トレジャー・ビーチ・スポーツ・パーク」は、トレジャービーチでの休日を楽しむのに最適な場所だ。このエリアはスポーツツーリズムの中心地となっており、スポーツパークはリフレッシュにうってつけだ。公園を訪れてクリケット、サッカー、時には陸上競技などのスポーツの試合を生で観戦出来るのだ。土曜日の夜は試合の合間にたくさんの音楽やエンターテイメントがあり、じつに華やいだ雰囲気が満喫できる。

さてとトレジャービーチを訪れたらやるべきことの筆頭に誰もがあげるのが、「Foyd’sPelicanBar(フロイドのペリカン・バー)」に行ってみること。ここは多くの常連客から“世界一クールなバー”と広く評されているユニークな木製の水上バーだ。このバーから眺める周囲の海の景色は息をのむほど美しく(とくに夕暮れ時は格別!)、見逃すことはできない。フロイドのペリカン・バーに行くには、トレジャービーチ周辺のホテルやビーチからボートに乗り、約20分の距離である。到着したら、ラムパンチやビールなど、さまざまな冷えた飲み物を楽しむことができ、お腹が空いたらフレッシュな魚やロブスターを堪能できる。自分でスナックを持ち込むことも可能だ。海岸から約1マイル離れたところにあるこの海上バーは、地元の漁師フロイド・フォーブス氏が築き上げたものだ。彼は漁船で木材を運び、板を1枚ずつ積み上げて海の真ん中に夢のバーを作り上げるという目的を実現させたのだった。P.B.


