ジャパンインターナショナルボートショーで発表されたヤマハ 2012年のニューモデル「NYTRO(ナイトロ)」が、5月1日より発売開始された。国内はもとよりグローバル展開も視野に入れて開発された「NYTRO」は、現在フィッシングボートが主流である日本のマーケットに新たな風を吹き込むスポーツクルーザーに仕上がっている。国内ボート業界のオピニオンリーダーを誇るヤマハの、新たなチャレンジが始まった。

これまでにない斬新なトランサムレイアウト
船外機艇の常識を覆す発想により誕生した「NYTRO」


  NYTROとは、「New Yamaha Transom Revolution Outboad」の略である。「ナイトロ」という呼称だが、そのネーミングには、「ニトロ」=「ニトログリセリンのように爆発させて、閉塞感のある国内マーケットに新たな息吹を吹き込みたい」との思いを込めたとのこと。そんなヤマハの熱い思いが詰まったニューモデルを、ジャパンインターナショナルボートショー閉幕後の3月中旬、インプレッションする機会に恵まれた。

 ボート文化の先進国である欧米諸国では、週末になるとお気に入りの入り江やマリーナにボートを停泊させ、家族や仲間と海水浴や釣り、食事などを楽しむレジャースタイルが広く定着している。今回の「NYTRO」は、こうした洋上のひとときをさらに充実したものにするスポーツクルーザー。最大の特徴は、スペース効率に優れる船外機を搭載した点で、船外機仕様が選ばれた大きな理由には、今後、中国・韓国・香港を中心としたグローバル展開を予定していることがあげられるという。既に世界各国で絶大な信頼と確固たるシェアを得ているヤマハ船外機ゆえに、供給やアフターサービスの面でもスムーズなグローバル展開が可能と思われる。

 近年、国内小型艇のニーズは圧倒的にフィッシングボートが多く、その割合は8割にも及ぶ。そこでヤマハは、新たなニーズへのアプローチとして、快適なオープンエアクルージングが楽しめるスポーツクルーザーの開発に着手した。外観デザインは一昨年10月に発売された「S-QUALO」で初めて採用されたスクエアバウを「NYTRO」にも採用し、使いやすいバウデッキと広々としたキャビンスペースを確保している。また、「S-QUALO」ではデザイン上の造形であったフロントサイドの凹部には大型のサイドウィンドウが開けられ、エクステリアのデザインアクセントはもとより、キャビンの大型ポートライトとしての役割も併せ持たされた。

 ドライバーズシートにL字型のラウンジシートとテーブルを配したコックピットは、開放感溢れるセミフライブリッジタイプ。後方の船外機の上にはサンベットを設置し、クラス以上のゆったりリラックスできるスペースを確保している。そして「NYTRO」がこれまでにない斬新なトランサムレイアウトを採用したことにより、船外機艇の常識を覆す広く低いトランサムステップが誕生した。一見、船外機のチルトアップが出来ない形状に見えるが、フルチルトアップが可能であり、なおかつトランサムステップ中央部にハッチを設けたことで容易に……。(続きは雑誌で)

text: Takayuki Kijima
photo: Makoto Yamada
[OceanStyle Perfect BOAT 2012年6月号掲載/※データは掲載時のものです]






YAMAHA NYTRO
全長 9.43 m
全幅 2.69 m
全深 1.89 m
重量 2,976 kg(F350)
エンジン F350 AETX(NYTRO X、F350)
     F300 BETX(F300)
燃料タンク 400 L
清水タンク 100 L
税抜本体価格 20,480,000 円(NYTRO X)
       17,680,000 円(F350)
       17,000,000 円(F300)
■問い合わせ先
 ヤマハ発動機
 TEL: 0120-090-819
 http://www.yamaha-motor.jp/marine/