Panamera S E-Hybrid

PORSCHE Panamera S E-Hybrid_H1 現在、世界でもっとも革新的なテクノロジーとパフォーマンスを備えたサルーンは何だろうか? こう考えたとき、間違いなく筆頭候補の一つに挙げられるのがポルシェ「パナメーラS E-ハイブリッド」であろう。ハイブリッドからさらに進化したプラグイン・ハイブリッドに、ポルシェならではのハイパフォーマンス。その神髄を紹介しよう。

Panamera S E-Hybrid 日本車メーカーがハイブリッドやピュアEVに積極的なのに対し、自動車の”電化”に消極的だったドイツ勢だが、ここに来てプラグイン・ハイブリッド(PHV)の発表が相次ぎ、急速に電化の方向に舵を切っている。BMW iシリーズ、フォルクスワーゲンゴルフGTE、アウディA2 e-Tronと立て続けにPHVが発表されているが、昨年の夏に先陣を切って世に送り出されたのが、ポルシェ「パナメーラS E-ハイブリッド」である。フェイスリフトに加えて、パワートレインの変更やロングホイールベース版の追加を含む大幅な変更を受けた際に、ハイブリッドがPHV化されている。
 私がポルシェのPHVに関する第一報を聞いたのは、ホッケンハイムで開催された「918スパイダー」披露イベントでのことだった。そのときは、同乗試乗に留まったが、高速域で安定した姿勢を保ったまま、高い走行性能を発揮するポルシェらしさを維持していることに感心した。日本にも今年の春からデリバリーが開始されたことは、明らかに朗報だ。
 エンジンは、従来の「S ハイブリッド」と同じ最高出力333ps/5,500-6,500rpm、最大トルク440Nm/3,000–5,250rpmを発揮するスーパーチャージャー付き3L V6ユニットを搭載する。一方で、電気モーターの出力は70KW/310Nmへとスープアップし、8段ティプトロニックATを組み合わせることにより、トータルでの出力は416ps/590Nmとなる。

Panamera S E-Hybrid 一方、電気系はハイブリッドとPHVで大きく異る。電気モーターの出力が向上したことに加えて、ハイブリッドではニッケル水素だった電池が、PHVではリチウムイオン電池になり、容量が従来の5倍以上の9.2kWhへと高まった。その結果、最大32.1kmものEV走行ができるようになり、同時にEV走行の速度も最高で135km/hまで引き上げられた。
 実際に走らせてみると、まず加速感に目を見張ることになる。停止から100km/hまでを5.5秒で加速するという俊足ぶりと、日本ではなかなか発揮するシーンはないが、270km/hに達する最高速を謳うカタログ値に嘘はない。ポルシェが誇るハイパフォーマンスセダンという位置づけを、しっかりと保っている。日本では、三菱「アウトランダー」やホンダ「アコード」といったPHVが発売されているが、それらがよりEV風の走りであるのに対し、ポルシェ「パナメーラS E-ハイブリッド」は、EV走行もできるが、いざスポーツモードを選べば、V6エンジンとティプトロニック8段ATの性能を存分に引き出し、ハイパフォーマンス・サルーンとしての本領を発揮できる。2.1トンもの重量級サルーンゆえにコーナリング時の軽快な足取りはV6モデルやV8モデルに軍配があがるが、それも”ポルシェ基準”で比べたときのことであって、一般的な基準で言えば、「ポルシェらしいスポーティネス」を保っていることは伝えておきたい。増した分の重さに対応すべくサスペンションの設定がやや固められているためか、一般道での乗り心地はエンジン車よりもフラット感にかける。しかし、スピードが高まると、ソリッドな安定感ある走りを披露するのはポルシェの面目躍如たるところだ。

Panamera S E-Hybrid 急速充電機能は備わっていないので、家庭用の充電器を備える必要があるが、30km程度ならEV走行だけで走ることも可能だ。ドイツのアウトバーンでの走行を視野に入れて、最高135km/hまでEV走行できる。アクセルをかなり踏み込んで加速をするときには、エンジンが始動してフル加速をするが、たいていのシーンではEV走行でこなせてしまう。ドイツですらそうなのだから、日本で日常的に使うぶんにはほぼEV走行で済ませることができそうだ。日本のJC08モードでの燃費はなんと12.3km/h(通常のV6 3.6LモデルのJC08モード燃費が11.1km/h)。これだけのハイパフォーマンスを発揮しながら、12km/h以上という低燃費には驚きを隠せない。
 普段の走行ではモーターを中心に静粛性の高い快適な走りをし、いざとなれば、ポルシェの面目躍如たるハイパフォーマンス・サルーンへと豹変する。ワインディングロードを走れば重量級のボディを感じさせないハンドリングを披露し、ロングドライブに連れ出せば1,000kmを越える足の長さと最速サルーンとしての実力を発揮する。すべてのシーンで満足を得たい、そんな欲張りな人にとって、これ以上の解はないと言っても過言ではない。

Panamera S E-Hybrid - Innenraum Panamera S E-Hybrid - Innenraum P13_0358_a4_rgb
最先端テクノロジーのプラグインハイブリッドシステムが搭載されたラグジュアリーサルーンながら、PORSCHEであることを強烈にアピールする5連のメーターナセル。中央レブカウンターの左が、エレクトリックシステムの作動状況とパフォーマンスを示すパワーメーター。右のカラーディスプレイには走行中のエネルギーフローをはじめ、航続距離等の情報が表示される。走行モードは「Eパワー」「Eチャージ」「スポーツ」の3種類。他にサスペンションやハイトコントロールも備わる。0–100km加速 5.5秒、最高速度 270km/hのハイパフォーマンスと、JC08モード燃費12.3km/hの環境性能は、まさに次世代のサルーン。

PORSCHE Panamera S E-Hybrid
全長 5,015 mm
全幅 1,930 mm
全高 1,420 mm
ホイールベース 2,920 mm
車両重量 2,130 kg
エンジン形式 V型6気筒スーパーチャージャー
総排気量 2,994 cc
エンジン最高出力 333 PS(245 kW)/ 5,500–6,500 rpm
エンジン最大トルク 440 Nm / 3,000–5,250 rpm
モーター最高出力 95 PS(70 kW)/ 2,200–2,600 rpm 
モーター最大トルク 310 Nm / 1,700 rpm
システム最高出力 416 PS(306 kW)/ 5,500 rpm
システム最大トルク 590 Nm / 1,250–4,000 rpm
トランスミッション 8速 ティプトロニックS
0–100km加速 5.5 秒
最高速度 270 km/h
車両本体価格 14,630,000 円(税込)
■問い合わせ先 ポルシェ カスタマーケアセンター TEL: 0120-846-911
http://www.porsche.com/japan


text: Yoshihiro Kimura Office
editor: Yumi Kawabata
photo: Porsche
Perfect BOAT 2014年11月号掲載]/※データは掲載時のものです