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GB_2012_KN_-857 ロールスロイスの歴史的モデル名である「ゴースト」の名を冠して、2009年にデビューした現代版「ゴースト」。ショーファードリブンはもちろん、オーナー自らがドライブするためのこの“ベイビー・ロールス”を駆って、ロンドン市内の高級ホテルからピクニックに出掛けた。目的地は、ロンドン郊外のオックスフォード。もっともロールス・ロイスらしいワンデイ・ショートトリップの始まりである。

 朝7時、濃い紅茶の香りで目を覚ます。ロンドン随一のホテル、コノートの広場に面したティー・ルームで朝食を摂っていると、エントランスに“ベイビー・ロールス”こと「ゴースト」が現れた。伝統のパルテノン型グリルが心持ち傾斜したフロントビューは、思いの外、現代的ですっきりとした印象だ。力強い面ときりっと締まったラインで構成されるスタイリングは、身体にぴったりと馴染む仕立てのスーツのようでもある。
GB_2012_KN_-805 いつもなら、キーを受け取ってテストドライブを開始するところだが、やはりここはロールス・ロイスの伝統に習ってショーファー・ドリブンから体験してみることにしよう。時代がかった服装を身にまとったドアボーイが観音開きのドアを開けて、後席に招じてくれる。明るいアイボリーのレザーシートは品が良く、室内の広々した空間をよりクリーンで快適な印象に仕立てている。80°以上もの開閉角度を持つため、乗り降りはごくしやすい。ただし、「ファンタム」の中身が詰まったリアシートはソファのような掛け心地だが、ゴーストのほうがよりホールド感がある。
 運転手に行き先を告げる。目指すは、ロンドンから西に向かって1時間ほどのところにあるオックスフォードである。地名こそ有名だが、果たしてロンドンからわざわざクルマで足を伸ばすに値するものがあるのだろうか? そこには、美しい田園風景があるのだ。ホテルのコンシェルジュにそのことを伝えると、籐で編まれたバスケットに入った可愛らしいピクニックセットを作ってくれた。中を開けるのが楽しみで仕方ない。が、いまはまだ我慢だ。
GB_2012_KN_-734 渋滞税が導入された影響で、タクシーとハイブリッドカーばかりが幅を効かせるロンドンの市街地を出て、素早くモータウェイに乗る。この国の高速道路はつなぎ目が多く、普通のクルマではそれを乗り越えるたびにカタカタと落ち着かない動きがボディに振動となって伝わってくるのだが、ゴーストではそんな心配は無用だ。ファンタムではアルミ製スペースフレームを採用しているのに対し、ゴーストではスチール製モノコックボディを採用しており、よりしなやかな走りを約束してくれる。というのも、アルミに強度を持たせるためにはより厚くしなければならない。その際、どうしても振動を吸収しにくくなるからだ。
 ゴーストでは、シートそのものの掛け心地の良さに加えて、フロアへの取り付け剛性の高さや、ボディやサスペションそのものの剛直さが、しっかりと頼もしい乗り味を生んでいる。面白いことに、なぜかエクステンデッド・ホイールベースより、ノーマルのほうが乗り心地がいい。原因はわからないが、事実として同乗した全員がそう感じたのだ。
 ひとしきり後席でのドライブを楽しんだあと、緑豊かな田園風景が広がるオックスフォードに着いた。美しい田園風景の中、ピクニックセットを広げて豊かな時間を楽しむ。ショーファーに聞けば、晴れた日の週末にはこうしてピクニックに出かけることは今でも英国の美しい習慣だという……。(続きは雑誌で)

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ROLLS-ROYCE Ghostr
全長 5,400 mm
全幅 1,950 mm
全高 1,550 mm
ホイールベース 3,295 mm
車両重量 2,450 kg
エンジン形式 V型 12気筒 48バルブ
総排気量 6,591 cc
最高出力 570 PS(420 kW)/ 5,250 rpm
最大トルク 780 Nm(79.5 kg-m)/ 1,500 rpm
ミッション 電子制御8速AT
最高速度 250 km/h(リミッター作動)
車両本体価格 29,400,000 円

■問い合わせ先
ロールス・ロイス・モーター・カーズ東京 
TEL: 03-6809-5450

ロールス・ロイス・モーター・カーズ横浜 
TEL: 0120-188-250

http://www.rolls-roycemotorcars.com


text: Yumi Kawabata
photo: Hiro Matsui [KENTOS Network]
[OceanStyle Perfect BOAT 2013年3月号掲載/※データは掲載時のものです]