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00049 昨年、コーデカーサ・ビンテージシリーズのヨットを見るとこが出来たとき、このビルダーのスポーツヨットシリーズのことも聞いた。今年に入ってから去年得たコーデカーサのコンタクトを使って調べた結果、モナコに係留中の50m「フラムーラ3」号に乗船する手配をすることができた。
 コーデカーサはイタリアでは右に出る者がいない、メガヨットの最高のビルダー家系と言えよう。しかし、そんなビルダーがなぜスポーツヨットに着手したのか?
 実際に目にして見ると、これが驚くほどに素晴らしい! このビルダーが長年の大型ヨット建造で培ってきたクオリティと技術的なアビリティが、小さいコンセプトのスポーツヨットに見事に生かされている。
 総アルミニウム製、49.9mの「フラムーラ3」号は、コーデカーサの50mスポーツクラスの第1号艇だ。この50mクラス(50mスポーツ)はスポーツヨットの種類では最大級だ。その他に45mクラス、40m、35mクラスと続く。「フラムーラ3」号は、2010年にコーデカーサによって進水された45mの「フラムーラ2」号(現「Tenshi」号)の後継船となる。
 このヨットはハイパフォーマンスのためにデザインされた。3基の2,600hp MTUエンジンに、ロールスロイス社のカメワウォータージェットを搭載。トップスピードは28ノット、航行可能距離は18ノットのクルージングスピードで1,000マイルだ。
 より小さなモデルとの違いもしっかりとある。50mクラスはフルトライデッキで、内部スペースに充分な広さが提供されている。マスターステートルーム、VIPステートルーム、ダブルステートルームにツインキャビンが3室あり、12名までのゲストがそれぞれのキャビンでリラックスすることができる。

00058 私にとっては、ヨットを見るとき最初にクルーエリアを見るのが一番重要なことだ。このエリアを見ることによってメガヨットの全体像が見えてくるのだ。
 大型のサイズに移行するにあたって、多くのビルダーは、フルタイムで船内で生活をするクルーを持つというコンセプトを理解していない。だがコーデカーサはこのコンセプトを非常に良く理解し、パーフェクトに設計された5室のバスルーム付きの大型クルーキャビンを備え、キャプテンと10名のクルーが快適に生活できるようになっている。
 スペースを広く取ったプロフェッショナルなギャレーの真ん中には、フルタイムのプロフェッショナルシェフが必要なものを全て取り揃えたステンレス製のセントラルアイランドが鎮座。クルーのダイニングエリア近くにはTVコーナーに食品・食器用小型エレベーター、クルー全員が着席できるダイニングテーブルがある。通路を進むとそこには洗濯乾燥機完備のランドリールームがある。
 メインデッキには広大なメインサロンと、前方にはオーナーのステートルームがあり、ここではメガヨットビルダーのクオリティの全てを見ることができる。ビームいっぱいに取られたステートルームには2部屋のドレッシングルームにトルコ式バスルームまである! また、オーナーの書斎には46インチのテレビと本棚と机、書斎の前方には豊富なマシンが揃ったジムに折りたたみ式のバルコニーがあり、外の空気に触れながらエクササイズすることもできるのだ。

0001 上部デッキにあるダイニングルームの真ん中には、12人が着席可能な丸テーブルがあり、前方は操舵室になっている。ガラス張りのブリッジには大型長距離船で見かけるシステム。しかし、これはスポーツヨット。アイデアはアウトドアライフをエンジョイすることだ! そのために、外部エリアにはソファ、コーヒーテーブル、アームチェア、ダイニングテーブルに、後部デッキにはサンベッドも設置されている。
 操舵室のあるデッキの船首には、作りつけのソファに椅子とパラソル付きのチークテーブルが2台、これはヨットの前方に広がる水平線を楽しみたいオーナーの特別リクエストによるものだ。
 テンダーとレクリエーション器具はヨット中央部横のガレージに格納されている。これもまた豊富な経験とクオリティとアビリティの全てが兼ね添わったビルダーの新機軸だ。
 大型スポーツヨットは「大人の服を身に纏った子供用ヨット」と言われるが、多くは服を剥がしたとしてもその根底は未だに子供だ! しかし、コーデカーサのスポーツヨットはそれとは全く違う。真に大人なヨット、若々しいマシンとなったメガヨットなのだ。ブリリアントなデザイン、ブリリアントなスタイル、ブリリアントなテクノロジー、ブリリアントなクオリティ……。とにかく、これは大好きなヨット。まさにブリリアントなヨットだ!


photos: Codecasa
text: Captain Nigel Beatty
PerfectBOAT 2014年10月号掲載/※データは掲載時のものです]

CODECASA 50s “Framura 3”
全長 49.90 m
全幅 9.20 m
喫水 1.75 m
重量 280 ton
構造 Aluminium hull / Aluminium superstructure
エンジン 3× MTU 16V 2000 M94
推進装置 2 KA.ME.WA. Water Jets mod. 80 S III
     1 Booster KA.ME.WA. mod. 71 B III
出力 3× 2,600 HP
スピード Max 28 kt, Cruise 18 kt
レンジ 1.000 NM @ cruising speed
燃料容量 45.000 L
清水容量 5.000 L
キャビン Owner’s Suite, 1 VIP Cabin, 1 Double Bed Guest cabin, 3 Twin Bed cabins
     1 Captain’s cabin, 4 Twin bed cabins
船級  ABS A1 (E) YACHTING SERVICE, AMS FULL COMPLIANT WITH
    MALTA COMMERCIAL YACHT CODE FOR SHORT RANGE NAVIGATION

Captain Nigel Beatty

 ナイジェル・ビーティー:1969年、英国ベッドフォード生まれ。高校卒業後、欧州放浪の旅に出る。その後、英国海軍に入隊。航海術や操船術などを学び、海軍ヘリコプターコントロール専門の管制官になる。5年後、バハマでスキューバダイビングのボートキャプテンとなるべく英国海軍を退役。1997年にヨット界に飛び込み、ヨットキャプテンとなる。英国MCA3000トンのキャプテンライセンスを所持。これまでにメガヨットのキャプテンとして、米国東海岸、バハマ、タークス・アンド・ケイコス、カリブ海、日本、中南米、地中海、インド洋、ペルシャ湾を航海し、航海経歴は30万海里以上におよぶ。現在、ヨットセールス、チャーター、コンサルティング、マリンパーツ販売を手がけるスーパーヨット・ロジスティックスを日本人妻と運営。プロジェクトマネージャー、テクニカルマネージャー、リフィットマネージャーとして数多くの新艇プロジェクトをも手がける。2008年、新人メガヨットキャプテンのインストラクターに就任。2009年には新キャプテン最終試験官に就任し、後輩キャプテンとなる生徒をビシビシと厳しく指導している。スコアはイマイチだが大のゴルフ好きで、2002年のワールド・キャプテン・ゴルフ・トーナメントでは栄誉ある「Wanker of the Year」を受賞。日本語を鋭意勉強中。日本語力は、まともな焼酎を注文したり、間違えずに電車に乗れるくらいに上達した。

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