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Cannes Yachting Festival_H1
今年で37回目を迎えるカンヌ国際ヨットショー「CANNES YACHTING FESTIVAL」が、この9月9日~14日までの6日間、カンヌ国際映画祭で有名なホール「パレ・デ・フェスティバル」に付帯するエスパス・リビエラを中心にヴュー・ポール(旧港)で行われた。煌めきの舞台は、もう目と鼻の先だ。

BB1A9124 今年もカンヌの舞台に来た。第37回「CANNES YACHTING FESTIVAL」。昨年までの「Festival de la Plaisance de Cannes」から名称を一新。コート・ダ・ジュールの海と背景の街が織り成す地中海のマリタイム満載のショーだ。毎年のように新たなトレンドを発信するカンヌヨットショー、今では地中海NO.1のマリタイムショーとして成長した。
 今回は34ヵ国から480ブランドが参加。陸置を含め5m~55mまで計550艇が展示され、うち95艇が2014年カンヌデビュー、つまりワールドプレミアを果たしている。また180艇は20m以上のマキシクラスだ。約2割にあたる115艇がセーリングヨット。ブームのカタマランなどマルチハルは、セール、パワー合わせて35艇に上っている。展示は新艇だけではない。ブローケージ会場はカンヌ湾の対岸Port Pierre Canto、マリーナエリアだがそこに50艇の20m~50mクラスの豪華中古艇が並んだ。
 9月2週目のカンヌに始まり、地中海はショーシーズンに入る。この1週間後はモナコヨットショー、200~300フィートのメガクラスの祭典だ。その後はジェノバ、バルセロナと続くが、皮切りとなるカンヌが来年のボートマーケットのトレンド指針となる。

IMG_5838 コート・ダ・ジュール……。フレンチリビエラ、南仏地中海沿岸地域は名だたる芸術家たちが、キャンバスに煌めく陽光を永遠に描き込んできた。ピカソ、ルノアール、マチス……。銀幕のスター、セレブリティたちも居を構え、多くの映画もこの街で海で創られてきた。コバルトブルーの海とさんざめく陽光が育んできたコート・ダ・ジュール。その地のヨットショーにはあらゆるマリタイムカルチャーが凝縮して待ちかまえている。それだけに世界34ヵ国からの出展と、 まさに「Festival de la Plaisance」歓喜の祭典の様相を呈しているのだ。
 主力を張るのはイタリアンブランド。77Sや50をデビューさせたアジム・ベネッティグループ、パーシング70にフェレッティ690をデビューさせたフェレッティ・グループ、いきなりブースが拡大したサンロレンツォ、モンテカルロヨット、クランキ、アブソルート、ワイダー、マングスタ……。
 英国製ブランドも勢いを増している。プリンセス65をデビューさせたプリンセス、サンシーカーはマンハッタン65をワールドプレミアとして並べ、フェアラインも同様。

Canne-Yachting-Festival-2014-Day2.4 ヨットショー初日、フェレッティグループで珍しい方に会った。フェラーリの副会長ピエロ・ラルディ・フェラーリさん。エンツォ・フェラーリの子息である。ピアジオ・エアロの社長でもあり、モンテゼモーロ・フェラーリ社長の辞任後は、ピエロさんの出番が増えると言う説もある。話しかけたら覚えていてくださった様子。リーバ、CRN、フェレッティ等、フェレッティグループの重鎮たちと写真も撮った。
 セーリングヨットはベネトウ、ジャヌーを始めフランス勢がフルラインアップでかなりの勢い。ハイエンドヨットCNBも存在を顕にしている。日本からも経済界の重鎮がこれら先端のセールヨットを私的に訪問されていた。トレンドはマルチハル。ラグーン、ジャガー、サンリーフ……、カタマランセールヨットから生まれたパワーボートが今年の話題を集めている。

IMG_3429 ロングレンジボート、新世代のトローラーも新トレンドを提案している。アジム・マジェラーノ、クランキ・エコトローラー等。デザイン的にも垂直ステムのカタチが、小型艇までいたるところで眼に入る。これも新たなトレンド。ここカンヌでは事前予約をすれば試乗が出来る。世界中からのVIPゲストが次期候補艇に乗り込む時の笑顔がなんとも素敵だ。
 小型艇になればなるほどゲストの迎え入れはアットホーム。海の青、ボートの白や艶やかなハル、背景の街の赤レンガ、黄色の壁、印象派の画家たちが愛した風景のなかにボートが生き生きと浮き動いている。潮気に溢れたグッズや、エンジン、マリンギア、ハードウエアパーツ、装飾小物、モード……。200店を超えるショップが赤絨毯や青絨毯の通路の両側に並び、マリタイムショッピングモールを作り上げる。
 ショー会場脇のサンドビーチでは時折トップレスの美女が太陽の下の読書を楽しんでる姿が見える。これもコート・ダ・ジュールならでは。日が暮れると会場周辺のレストランはボート関係者やゲスト、観光客で大賑わい。そもそも美味しいレストランがマリーナやポートにはわんさかとあるのが地中海。日本では考えられない環境に密かに落涙……。

IMG_3545 最も盛り上るのは4日目のフライデーナイト。夕暮れ時にジャズの生バンドが会場のイベントステージに入った。さあ、シャワーを浴びて着替えをして、パーティモードに入りますか! ちょっと小粋な可愛いいデッキシューズに履き替えますか!
 カールトンビーチではワールドヨットトロフィーの選出とガラディナー。Julien Macdonald Haute Coutureのショーとともにシャンパンの栓が抜かれ、沖ではワールドプレミアムボートのパレードが行われた。同時に各ブースではゲストを招いてのナイトパーティー。生バンドやDJブースをデッキに造り、ダンシングカンヌナイトが始まる。あちらのブース、こちらのブースと渡り歩くのがまさしくカンヌボートショーの醍醐味。時々すれ違うセレブたちも同様。「エンジョイ!」「ボンソワ!」の声がかかる。F1界のビッグ、某チームオーナーも美形をつれてエンジョイしている。
 ライフスタイル系のスポンサーも新たについた。Lise Charmelや、パリジャンの大好きなLadureeもおしゃれな店舗を展開。マカロンと超美味なアイスクリームをサーブしている。VIPサービスにはコート・ダ・ジュール・ヘリコプターが頻繁に送迎を行っている。

 ……6日間で来場ゲストは50,000人を超えた。単に何万人の数ではない。そこにはマリタイムの新たな文化を求め支えるビルダーと、関係者、超ビリオネアやセレブリティ達が参画して成立する艶やかな世界がある。ボートはフローティングヴィラ、あらゆるテクノロジーが参集して進化する。ハードはもちろん、ラグジュアリーモード、アート、芸術も。発見、驚愕、歓心、チャレンジ。この地中海のボーティングカルチャー、広げていきたいと願はずにはいられない。さあ、あのデッキシューズで小粋に出かけますか!


text: Kenji Yamazaki
photo: Cannes Yachting Festival, Kai Yukawa
special thanks: Cannes Yachting Festival
ANA https://www.ana.co.jp
PerfectBOAT 2014年12月号掲載/※データは掲載時のものです]