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MONTE CARLO YACHTS 70_H1
地中海に魅惑的な新風が吹いている。今やマリンデザイナーの鬼才、ヌヴォラーリ&レナード・デザインの「MONTE CARLO YACHTS(モンテカルロヨット)」がセレブリティの間で話題になっている。レトロモダンなスタイル、バウデッキのアイデア、顧客の希望を生かしたインテリア。生み出したものは「Unparalleled Beauty=比類なき美しさ」。新たなマリンカルチャーが、世界を席巻しそうな予感……。

08_mcy70_navigation_07 2014年のカンヌヨットショー期間中、シートライアルに出航するフネの中でもひときわ衆目を集め、私的にも関心高々だったのが、「McY」のロゴも異彩を放つ「モンテカルロヨット」だ。セーリングヨットのフランスの名門べネトウグループのハイエンドパワーボートとして、近年脚光を浴びている。
 艶やかなハルカラーになんともレトロモダンなスタイリングのインパクト。それはエアロダイナミクスを取り入れながら伸びやかさを伴い、奇をてらわない落ち着きのあるフォルムを作り出しているからだ。MCYのデザインは「ヌヴォラーリ&レナード」。ハイスピードメガヨットの雄「パーマージョンソン」や、日本でもおなじみ「マーキー」等、アグレッシブなデザインで頭角を現しているデザイン事務所の作だ。
 この「MCY 70」、ブラックアウトされたフロントからサイドのウィンドウの処理、ルーフエンドの落とし込みなど、どこかパーマージョンソンと通呈している。なるほどの感だ。コンセプトはフューチャー&クラシック。2012年デビューとともに、ここカンヌでベストデザイントロフィーを獲得している。

12_mcy70_Flybridge_02 ハルサイドの舷窓のテーマは水玉、円。ライバルはスクエアなシービューウィンドウが主流なのだが、アートフルでいながらファンタジックな水玉・ダブルバブルの舷窓は見るほどにどこか気品を感じさせる。フライブリッジを形成するダイナミックなキャビンルーフからアフトのガンネルに降りるピラーは、スモークドグラスがはめられ、深いガンネルを持つウォークアラウンドのチークフロアとあいまって佳き時代の地中海メガヨットを思わすレトロテイスト。
 試乗に供されたのは60フィートアンダーの「モンテカルロ」クラスにも採用されているミントブルーとホワイトのカラーリング。若々しくスノッブでリュクスなインパクトがある。MCY 70のイメージカラーはメタリック・アンバー。同色艇もあったが誌面のオフィシャルフォトはこのカラー。海の上で光を浴びると、高貴さと深い煌めきを放っている。
 プロのフォトグラファーを伴なっていると伝えたが、残念ながら船内撮影は禁止。マイアミボートショーでの接近時もそうだった。それだけ自信がある証しなのだろう。そうそうたるデザインブランドとのコラボレーションがあると。
 インテリア装飾のファブリック&マテリアルは、ウォールやハンドグリップの革にエルメス、ベッドやソファにアルマーニ、ファニチャーはポルトローナ・フラウ、ファブリックや壁紙はピエール・フレイ、テキスタイルのトップブランド、ルベリ・べネチュア等スーパーブランドが参画。つまり顧客の希望通りにインテリアのカスタマイズが無限に行えるのだ。撮影禁止の訳はオーナー艇となっているこの70、この一艇のみのインテリアだからだ。

12_mcy70_Flybridge_02 乗り込む。エレベートするスイミングプラットフォームからの海へのエントリー、シートイと自らもアクセスが楽しそう。アフトコクピットの設え、開放感溢れるサロンの設え、サロンドアを開け放つと生まれる一体感。たっぷりゆとりのL字ソファは、アルマーニ&ポルトローナ・フラウ。座ると眼線にウィンドウを介して海が見える。フロアはローヴェレ(オーク材)。その前方にフル装備のギャレー。その前にメインヘルムステーションがある。
 メインヘルムはレイマリンのナビ&レーダーマルチビジョンとエンジン関連マルチモニターを左右に振り分け、ジョイスティックモニター等航海計器が並ぶコンソールは本革が随所に使われる。もちろんエルメス。ステアリングは本革巻きスーパーホワイト、ポッドにもステッチも鮮やかな革トリムが贅沢に貼り込められている。
 3ステートのナイトエリアは贅の極みというより、贅を隠したなかで落ち着いた空間が広がる。ミジップのオーナーズステートは、エルメスのウォールトリムにアルマーニのマテリアルになるベッド、ルベリのピロー……。ベネチアンタイルのシャワールーム……、ウォークインクローゼット……、水玉のシービューウィンドウ……。リラクゼーションの空間演出に抜かりはない。
 バウにはゴージャスなVIPルームが用意される。クローゼットの引手はエルメスの革の設え。左舷側にゲストルームが2ベッドで用意される。それぞれに専用のパウダースペースがある。
 アフト左舷からフライブリッジに。広大なフライブリッジはセンター前方にヘルムステーションがある。真っ白なコンソールは装飾こそないが、サロンのメインヘルムとまったく同じデザイン。同じ航海計器が同じ場所にある。ステアリング右のZFスロットル、左のジョイスティック、その位置も同じ、これはいい。
 ヘルムを囲むように左右にゆったりとしたソファがセットされる。後方のレーダータワーを兼ねる軽量なカーボンケブラーのルーフがヘルムの頭上まで伸びている。大きな開口部をもつこのルーフ、電動で開閉可能だ。太陽をいっぱい取り込めます。レーダーアーチのたもとにはウェットバー、バーべキューグリル、冷蔵庫等エンターテーメントマテリアルが集結している。(続きは雑誌で)

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MONTE CARLO YACHTS 70
全長 21.30 m
全幅 5.42 m
喫水 1.80 m
重量 42 ton
燃料タンク 4,000 L
清水タンク 840 L
エンジン 2× MAN V8 1200
最高出力 2× 1,200 HP
スピード Max 33 kt
     Cruise 24-26 kt
■問い合わせ先 ファーストマリーン
TEL: 046-879-2111
http://www.firstmarine.co.jp

text: Kenji Yamazaki
photo: Monte Carlo Yachts, Kai Yukawa
special thanks: Monte Carlo Yachts
First Marine
http://www.firstmarine.co.jp
[Perfect BOAT 2014年12月号掲載/]/※データは掲載時のものです]