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YAMAHA  EXULT 38 Convertible_H1
An die Freude、歓喜の歌。「EXULT(イグザルト)」、それは「歓喜する」「勝ち誇る」こと。ヤマハの提案するEXULTとは、トヨタのLEXUS、ホンダACURA、ニッサンINFINITIなど、プレミアムブランドを展開するのと似ている。ヤマハの技術を結集し、「モノ創りの精神」と「走りのDNA」が注ぎ込まれたプレミアムブランド。その高い基準を満たしたモデルだけが「EXULT」を名乗ることができる。新しい「EXULT 38」は、訪れし者を歓喜に誘う。

03_Y4_4171 「イグザルト38 コンバーチブル」は、イグザルトにとって3番目となるモデルである。2008年発表のイグザルト45、2009年発表のイグザルト36、ジャンルの異なる2つのモデルからインスパイアされ、今まで見た事のない高みへと昇華された。そのスタイルはコンバーチブルとスポーツサルーンの融合。そして、スポーツフィッシャーとPODドライブとの出会いでもある。 
 サイドビューはY-38コンバーチブルに似た印象。Y-38Cのデザイン継承か? その答えは簡単。キャビンやデッキはY-38Cのモールドをベースにブラッシュアップされたもの。変える必要のないトラッドなエクステリアやレイアウトはリボーンする。だが、それは単にコストダウンの方法論ではない。そこで生まれたコストはボルボペンタIPS(Inboard Performance System)やIPS専用ハルの設計、モールド、FRPの積層、そしてインテリアで使われる高級素材の一部に還元される。この手法は、カスタマーにとってマイナス要素は何一つない。最善の選択といえよう。
 桟橋に係留されたイグザルト38C。スターン側から見た姿は、ワイドでグラマラス。タンブルフォームがカロライナのカスタムボートを彷彿とさせる存在感をみせる。実際に見た印象だけでなく、IPSの搭載によりデッキが数センチ上げられ、それに伴いブルワークからバウデッキまで全体が高くなった。さらに、ブルワークから水面下のチャインに向かい徐々に広がるタンブルフォームにより、トランサムに近づくほど横方向にもボリュームも増している。

16_Y4_4197 エクステリアやインテリアデザインは、Y-38Cをベースにしながら大きな変化を遂げた。
 まず、デッキ周りで変更されたのはメザニンシート。エンジンルームハッチの形状を工夫し、現代のスポーツフィッシャーの定番、メザニンシートを取り入れた。
 次にフライブリッジ。基本レイアウトはY-38Cのそれと同じ。上質な生地を使ったヘルム&ナビゲーターシート等、グレードアップ。ハードトップは流麗なデザインを損ねず、空気抵抗を考慮した結果、流線型に。フロントウィンドはラウンドしフラッシュサーフェス化され、美しいスタイリングを手に入れた。ディテールの変更により、リュクスなボートに変身した。
 室内に移り、イグザルトなインテリアを探す。フロントウィンドウ仕様により明るくなったキャビン。ソファにはイグザルト・シリーズに使われる特殊加工処理された本革を使用。標準で使われるハーフグロスのオークは、明るくクリーン。精巧な象嵌細工を使った贅沢なサロンテーブル等、全てが上質でイグザルト。
 メインサロンとダウンフロアを結ぶステップを跳ね上げると、船体中央部にサービスルーム。IPSの恩恵により、釣り道具やクルーの荷物などを収納できる、多目的のラゲッジスペースが生まれた。
 ナイトスペースもグレードアップを図る。ハルサイドのポートライトにより、明るくなったマスターステートルーム。ポートライトの上前面にサイドシェルフを追加。また、ポートライトにより、ミドルバースとパウダールームにも外光が取り入れられた。そして、壁や天井の高級クロスや、スペイン製のファブリックで作られたベッドカバー等、機能に加え質感も向上。つまり、インテリアやエクステリア、全てにわたりイグザルト・クォリティというわけだ。

19_Y4_4237 シートライアルが行われた横浜ベイサイドマリーナは、10m/sを超える北東の風が吹き、マリーナ前の浅瀬ではチョッピーな三角波が飛沫をあげてブレイクする。オフショアを想定するコンバーチブルモデルの試乗には最高のコンディションだ。
 ジョイスティックを使い、桟橋と平行に離岸する。キールのような役目をするW.T.B(Wave Thruster Blade)の抵抗で、動きだしは鈍重。それは逆に横流れもし難いということ。主機を使い、時間制限のないIPSが、強風下でもパワフルにコントロールする。
 航路を出た途端にショートピッチの波に襲われピッチングを始める。2ピースのモールドが可能にした大型のリバースチャインにより、飛沫は横というより斜め下に落とされる。そして、イグザルト38のアイコンともなっているハル中央のステップの造形により、風の流れが変えられ、飛沫は巻き込まない。アフトデッキはドライそのものだ。
 スターンのワイドなビームとチャインの浮力により、フラップの操作なしにスターンが持ち上がり、瞬時にプレーニング。時折押し寄せる大きな三角波から落とされるが、「叩く」という不快感は感じない。W.T.Sを持つディープVハルが、水を切り裂く。だが、バウフレアの浮力により、ノーズは刺さらない。また、FRPの積層を増やし、剛性をあげたハルにより、ねじれや軋み音は低減され、スペックには表れない「乗り心地」は明らかに上質になった。(続きは雑誌で)

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YAMAHA EXULT 38 Convertible

全長 12.65 m
全幅 4.25 m
全深 2.35 m
艇体質量 8.1 ton
燃料タンク 1,300 L
清水タンク 300 L
エンジン 2× VOLVO PENTA IPS500
最高出力 2× 370 ps
本体価格 77,358,000円(税別)
■問い合わせ先 ヤマハ発動機
TEL: 0120-090-819
http://www.yamaha-motor.co.jp/marine/

text: Yoshinari Furuya
photo: Makoto Yamada
special thanks: YAMAHA MOTOR
http://www.yamaha-motor.co.jp/marine/
[Perfect BOAT 2015年1月号掲載/]/※データは掲載時のものです]